スポンサーリンク

妊娠中1番辛いことの一つに、つわりがあります。日本では、つわりは耐えるしかないと言われていますが、カナダでは悪阻治療薬として「Diclectin」(アメリカ商品名:Diclegis)という薬が一般的になっています。日本では未承認のこの薬を使ってみたので効果や価格をご紹介します。

つわり治療薬Diclectinとは

鎮静作用のある抗ヒスタミン薬の一種「ドキシラミン」と「ビタミンB6」を混ぜた薬です。吐き気をはじめとするつわりの諸症状に効果があるとされ、北米の病院では妊婦に頻繁に処方されます。

日本では悪阻がひどく栄養が取れない場合は点滴などの処置をすることが多いですが、アメリカやカナダの産婦人科で悪阻の相談をすると、最初にDiclectin(アメリカ商品名:Diclegisを処方されます。

日本では未承認の薬ですが、北米ではとても一般的になっています。

Diclectinの安全性とBendectin冤罪事件

妊娠中に薬を飲むと聞くと気になるのはその安全性。実は30年前のアメリカで、Diclegisの安全性をめぐり大騒動がありました。

1956年に発売されブームを引き起こす

当時、Diclectin(アメリカ商品名:Diclegisと同様の成分の調剤「Bendectin」は、アメリカの製薬会社メレル・ダウ社により1956年に発売され、多くの産婦人科で処方されていました。

当時、つわり用の専門薬ということで大ヒットし、妊婦の25%はこの薬を使用していたそうです。

訴訟リスクから販売中止へ

つわりの症状改善に効果があるとして大人気だったBendectin。しかし、胎児や新生児に催奇形性が出るのはこの薬の副作用ではないかという危惧が高まり、製薬会社は多くの訴訟を起こされることとなってしまいました。

胎児の奇形はどんな妊娠の場合も一定確率で発生してしまいます。理由不明で起こってしまうものですが、何かあった場合に「この薬のせいではないか…」と疑うのも無理はありません。アメリカでは25%もの妊婦がBendectinを使用していたため、その訴訟件数は大変なことになってしまいました。

先天性奇形とBendectinの関連性は判明しませんでしたが、膨大な訴訟リスクに悩まされた製薬会社は1983年に回収販売中止し商品としてはアメリカから姿を消しました。

販売中止後、悪阻による入院件数が増加

1983年の販売中止以降、アメリカ国内での妊娠悪阻による入院件数が増加。このことから、この薬の効果が臨床的に証明されることとなりました。

一方、胎児奇形との関連性について、処方中止後も胎児奇形の発生率に全く変化が見られませんでした。こうして、Bendectin胎児奇形の関連性が完全に否定されました。

安全性が認められ2013年に再販売

カナダでは、アメリカでの騒動以降も、カナダの製薬会社Duchesnay社によりDiclectinという名称で同じ成分の調剤が販売され続け、今でも多くの妊婦に処方されています。つまりカナダでは30年以上の歴史がある薬ということです。

効果と安全性が立証されたことから、Diclectin(アメリカ商品名:Diclegis)は2013年にFDA(アメリカ食品医薬品局)つわり治療薬として承認。なんと30年ぶりにアメリカでの販売が再開されました。

スポンサーリンク

Diclectinのカナダ国内販売価格

私がカナダで妊娠発覚後、まもなく激しい悪阻が襲ってきました。病院で相談すると、当然のようにDiclectinを処方してもらうことになりましたが、問題はその価格。

12錠、最大13回服用することができます。1週間分の価格は$50を超えます。つわりの持続期間は個人差がありますが、8週~12週の4週間が一般的でしょうか…。4週間分だと200

医師と相談した結果、私は1週間分だけ購入してつわりが酷い日や、どうしても外せない用事がある日だけ服用するようにしました。

つわり対策としての効果

私の場合、朝は調子がよく午後から下り坂、夜に最悪の状態になる傾向にありました。そのため、昼食の時にDiclectinを服用していました。

鎮静作用で眠くなる

鎮静作用のある抗ヒスタミン薬が含まれているので、とにかく眠くなります。眠くなるので気分の悪さが曖昧になる感じがしました。用事があるから薬を飲むのに、飲むと眠くなりなかなか作業がはかどらないなどの弊害が発生します。

つわりが酷すぎて動けないくらい症状が出る人にはいいと思います。気分が悪いより眠いほうが幾分マシなので…。

正直コスパは悪い

高価な薬のわりに効果はさほどではないというのが正直な感想です。それでも薬を飲むと安心して、症状が落ち着く気はしました。

実際のところ「高いから効くはず!」というプラシーボ効果のような気がしてなりません。安全性が証明されたといっても、この程度の効果だと実用は微妙。妊婦が飲める眠くなる薬という意味では良いかも。

ニュース:カナダの医師が効果を疑問視

2018年の医学論文でこんなのを見つけました。

米国内の大学病院6施設で妊娠7~14週の妊婦を対象に試験が実施された。主要評価項目はベースライン時から14日後までの吐き気および嘔吐の症状スコア(0~13点で評価)の変化で、Diclectin(アメリカ商品名:Diclegis)とプラセボとの間に同スコアで3点の差が認められた場合をスコア改善の目安としていた。しかし、実際にはDiclectin(アメリカ商品名:Diclegis)を使用した妊婦の群とプラセボを使用した妊婦の群との間に認められたスコアの差はわずか0.73点だった。

この論文を書いた医師によると、「この差は統計学的には有意ではあるが、薬を使用する人が実感できるレベルの効果とはいえない。」とのこと。一方、製薬会社はこの論文を否定しています。

この記事を読んだのはつわりが終わり服用を辞めてからですが、個人的には「やっぱりプラシーボやん…」と思ってしまう。

カナダの昔ながらのつわり対策

ちなみにカナダでは、つわりの時はクラッカーと炭酸飲料を飲むというのが昔ながらの対策だそうです。妊娠悪阻でひどい目に合っていると医者や看護師、友人に相談すると薬の前にクラッカーを進められます。

クラッカーのつわり対策効果は気休め程度ですが、吐きづわりの人でも食べやすいです。

日本で承認される日は…

アメリカでは始めてつわり治療薬が承認されましたが、日本では現在「つわりのお薬」というものがありません。

日本でつわりは、ひたすら耐えるしかない苦しみ。妊娠経験のある女性の中には、出産よりも悪阻が辛かったと語る人が少なくありません。私も、つわりの苦しみを思い出すともう二度と妊娠したくないと思ってしまいます。

新薬を日本国内で承認するまでものすご~く長いプロセスが必要になるそうなので、もし実装されるとしてもしばらく先になりそうですね。

つわりで苦しんでいる妊婦さんのために、Diclectinでも他の薬でも、安全で効果がある薬が早く日本でも開発・承認されたら良いなと思います。

スポンサーリンク

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事