【カナダで出産体験談】2回目の無痛分娩で18時間の記録
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先日カナダ・アルバータ州で第二子を無痛分娩で出産しました。

経産婦はお産の進みも早いと聞いていましたが、破水から18時間・陣痛開始から12時間の長丁場に。それでも第一子の時は60時間超だったので、これでも短くなった方なんです…汗。

もえ
無痛分娩といっても、かかる時間も経過も痛みも全く違う。楽なお産は無いということを今回改めて思い知りました。

それでは、オンタリオ州での1回目の出産とは違う展開となった2回目の無痛分娩の体験談をご紹介します。

カナダの無痛分娩の流れは?

カナダの無痛分娩は、基本的に陣痛が来てからの処置となります。そのため、それなりに痛い思いをするのは避けられません。

にゃん
硬膜外麻酔(エピドラル)は事前予約不要。実際に陣痛が来てから麻酔を使うかどうかを決めることができるよ。臨機応変!

背中に取り付けたカテーテルから薬剤を定期的に注入します。機械で自動注入されますが、もしも痛みを感じたら自分でボタンを押して追加することもできます。カテーテルを取り付ける際に軽く刺される痛みがありますが、薬剤注入時はひんやりするだけで無痛です。

もえ
常に背中にカテーテルが付いた状態になるため、寝返りをしたり体勢を変えるときにチューブが引っかかっていないか気になります…。
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カナダで出産!分娩当日の体験談

カナダで2回目となった出産の体験談です。だいたいの流れはわかっていたものの、1回目とは全く違う展開で緊張しました。

オンタリオ州で長女を出産したときの記録はこちら↓↓

出産予定日~自宅で突然の破水

予定日を2日過ぎた日。昼間におしるしらしき出血があったので、夜早めにシャワーを浴びておきました。

夜8時ごろ、上の子(2歳)のお風呂上りケアをしていると突然の破水!

予定日を過ぎてからいつ破水しても良いように夜用ナプキンを付けていましたが、受け止めきれずに水が脚を伝っているのがわかりました。陣痛は全くありませんでしたが、出産予定の病院へ連絡しました。カナダで2回目の出産なので聞かれることは大体わかっており冷静に対応できました。

聞かれること

  • 破水した時間
  • 陣痛があるか・あれば陣痛間隔
  • 羊水らしき水の色(透明 or 赤・ピンク)
  • 病院までの所要時間
  • 経産婦かどうか

上記詳細を伝えた結果「来るように」と言われたので、用意していた入院グッズを持ち夫が運転する車で病院へ向かいました。

陣痛がまったくない&長女のケアが済み、義母にバトンタッチした後だったので精神的にとても安心して行動できることに自分でも驚きました。初めての出産のときはパニック同然だったので歴然の差!

病院へ行くも、陣痛が来ず自宅待機に

夜9時ごろ病院に到着。通常入口は既に閉まっているため、EmargencyゲートでCOVID19の症状が無いか確認されたあと、Labour Unitへ向かいます。

もえ
ゲートは夜間患者が順番待ちをしていましたが、誰からともなく「破水してるみたい!先に入れてあげて!」と道を空けてくれました…カナダ人優しい♡

この時もまだ陣痛が始まっておらず、病院受付やCOVID症状確認も冷静に受けることができました。1回目の破水後、動く度にドバドバと羊水が漏れるのを感じます。なるべく動かないために院内は車いすで移動しました。

Labour Unitに到着するとすぐにアセスメントです。お腹に色々な機器を付けて陣痛が来ているかや胎児の心拍数、子宮口の開き具合を確認します。

この時点で破水あり・子宮口3cmの診断でしたが、陣痛が全く来ていません。ドクターからは2つの提案がありました。

  1. 一旦帰宅して陣痛が始まったら再来院。ただし朝8時までに陣痛がなければ再来院して確認。
  2. このまま入院。朝8時までに陣痛がなければ促進剤で出産。

もえ
私としては破水してどんどん羊水が減っている感じが怖く、このまま入院したかったのですが「促進剤はそれなりのリスクがあるし自然に陣痛が来る方が好ましい」と言われて一旦帰宅することに。

陣痛開始~入院

病院から戻り午後11時。まだ陣痛が無いのでとりあえず寝ることに。シャワーを浴びておいて本当に良かった!

そして深夜2時過ぎ、下腹部あたりに身に覚えのある鈍痛が…。まだ生理痛レベルの痛さですが、時間を計ってみると8分置きで発生しています。破水している経産婦で子宮口も3センチ開いていると診察されているので、万が一のため早めに病院に行くことにしました。

夫を起こして、義母に娘をお願いして再び病院へ。病院までは20分少々ですが、痛みはだんだん強くなってきて呼吸を整えないと耐えられないくらいです。

午前3時、病院に到着してアセスメントルームへ。今回は陣痛が確認できたのですぐにLDRへ案内してもらえました。

LDRとは?
Labor(陣痛)、Delivery(分娩)、Recovery(回復)の頭文字をとってLDR。陣痛、出産、回復を全て同じベッドでできる個室のことです。陣痛室から分娩室へ移動する必要がなく、他の妊婦さんと出会うこともありません。ベッドに寝た切りで良いのでとても楽。カナダではこのLDRが一般的です。

もえ
私が入院したLDRはベッドと医療機器の他、トイレ、シャワールーム、家族用のリクライニングソファ、ロッカーが設備されていました。第一子を出産した病院とほぼ同じつくりです。

ナースが点滴の準備をしますが、私の血管が細すぎて見つからず連続で失敗…。ナース3人が交代して数回挑戦するもダメ。結局麻酔科のドクターを呼んでくることに…さすが麻酔科のドクターは一発で成功!手の甲でなんとかルート確保できましたが、5回も失敗されたので両腕は広範囲内出血で真っ青…。

いよいよ硬膜外麻酔

午前4時になる頃、やっと硬膜外麻酔の処置が始まりました。陣痛はありますが、呼吸をしっかり整えたらまだ耐えられるレベル。子宮口は4㎝です。

硬膜外麻酔(エピドラル)は、背骨付近にカテーテルを通してそこから出産まで定期的に薬剤を注入します。背中を海老のように丸めて、絶対に動かないようにします。

ここで気になるのが硬膜外麻酔の針の痛さです!私の場合、第一子の時はいつ刺したかわからない程なにも感じませんでした。今回はちょっとチクッとする程度。さきほど点滴ルート確保でひどい目にあっているのでその痛さと比べると蚊に刺されたようなものです!硬膜外麻酔は5分ほどで効いてきて、陣痛の痛みは軽い生理痛レベルに。

第一子出産のときも無痛分娩だったのですが、その時は腹部から下は全く感覚が無く身体もほとんど動かせない状態でした。

しかし、今回は痛くはないものの陣痛が定期的にきている感覚が残ったままで、足も自由に動かせます。導尿用のカテーテルを通すときも感覚があって変な感じ…。

子宮口が開かず危険な状態に…

麻酔が効き始めた時点で子宮口は7cm。時間はまだ午前5時前です。

麻酔が効いて快適に休んでいましたが、血圧が大幅に下がり始めました。血圧低下自体は硬膜外麻酔(エピドラル)の副反応で時々おこる事らしく、血圧をあげる薬剤を点滴投与しました。それにもかかわらず血圧はどんどん下がる一方…周囲が慌ただしくなってきて、恐る恐るモニターに目をやると70/30という数字が見えました。元々血圧低めの私も見たことが無い数字…。

さらに、赤ちゃんの心拍数が突然低下通常130程度ある心拍が60台になり担当ナースが急いでドクターを呼びます。痛み等は一切ありませんが、集まったナースの焦った様子であまり良くない状況ということは分かりました。

もえ
ベッド横の機器から響く謎のアラーム音と、弱くなっていく胎児の心音、焦るナース達の声、「C-section」という単語…。 たった数分間の出来事ですが、この時は本気で「赤ちゃんはもうダメかも…」「上の娘ともう会えないかも…」「もう二度とたこ焼きが食べられないかも…」と思い涙が出ました。

お腹や膣から胎児を刺激して数秒。モニターから聞こえる胎児の心拍音と私の血圧が戻り始め、謎のアラームも止まりました。

その後、担当ドクターから「原因は不明。破水して時間が経っているから、このまま子宮口が開かない or また心拍が弱くなるようなら緊急帝王切開をする。経腟分娩できそうでもバキュームを使う可能性があるから準備しとくね。」と告げられました。

吸引分娩で出産!担当看護師が下手くそでイライラした話

その後も陣痛の度に赤ちゃんの心拍が下がるものの、これは一過性でよくあることだから大丈夫と言われました。それでも心音が止まりそうなくらいゆっくりになると生きた心地がしませんでした。

子宮口9cmになり、ナースからも「1時間以内には生まれそうね」と言われましたが、なんとここから長かった!

結局子宮口が10cmになったのが約6時間後の午後1時半。麻酔は背中のカテーテルから定期的に注入されるため、こんなに長いお産でも痛みはありません。

もえ
もし無痛分娩じゃなかったら子宮口9センチで6時間も耐えられた自信が無い…

担当ナースが「まずは練習でプッシュしてみよう!」と言うので「練習…?」と疑問に思いつつ、とりあえず言われたとおりにプッシュしてみる。

ところが担当ナースは掛け声?がとにかく下手くそ!!なぜか息を吐き切ったときに「プッシュー!」て言ってくる。息を吐き切った直後だから苦しくていきめない。しかもタイミングは早すぎて息を吸う時間が十分に無く酸欠状態!!そして陣痛が来ていない時でも「プッシュ」言ってくる。

思い切って「息を吸う時間が無くて苦しい。それと麻酔してるから陣痛のタイミングがいまいちわかりにくい。モニターで陣痛来てるタイミングに声かけてもらっていいですか?!」と言ってみる。しかし「陣痛来てるのちょっとはわかるでしょ!?そのときにプッシュすればいいのよ!」と言われてしまう。じゃあ変なタイミングで掛け声かけるなよ…。

麻酔は効いていて痛みはないものの、圧迫感&呼吸が上手くできない苦しさ&ナースへのイラつきで涙が出てくる。するとナースに「なんで泣いてるの?」と言われてしまうw そしてこの間もずっと「練習だから!」を繰り返すナース…。練習必要??というかもう本番では???正直ナース変えて欲しい。

もえ
なんとか理性で持ちこたえましたが、もしも無痛分娩じゃなかったら間違いなくぶちギレ案件…。

10分ほどいきんだところで、ナースは「夫さん、引き続きよろしく」と言って部屋の隅のPCで別作業をし始める。このタイミングでいなくなる?!と驚くも、いない方が自由にできていいかもと思いなおす。夫に手伝ってもらいながらプッシュ作業を続けていると、担当ドクターと別ナースがバキューム機械と一緒に到着。

ここからはあっという間で午後2時半、破水から18時間で誕生しました!

オンタリオ州で長女を出産したときの記録はこちら↓↓

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出産から24時間で退院!カナダで入院体験談

カナダの病院では、経腟分娩で特に問題がなければ出産から24時間で退院となります。ただし深夜に生まれた場合は24時間以上滞在することもあります。

先輩ママ
24時間で退院は短そうだけど、実際出産すると一刻も早く家に帰りたくなるよ(笑)

カナダで出産経験がある先輩ママから話を聞いていると、皆同じようなことを口にします。私自身カナダで出産は2回経験しましたが、やはりどちらの時も「はよ家帰りたい…」という一心でした。

出産直後から母子同室

カナダの病院では出産直後から母子同室。出産した部屋から1泊する部屋まで、片時と離れず一緒に移動します。

産後ボロボロの身体で退院までの24時間一人ぼっちで頑張らなければいけません。3、4時間に一度ナースが血圧や体温を計りに来ますが、お世話は100%自分でします。出産直後、一瞬で良いからゆっくり寝たい…しかし叶わぬ夢。

抱っこや授乳の仕方、おむつの替え方も教えてくれないので、初産だとわからないのでは…?

もえ
1人目出産のとき、何も教えてもらえなかったので汚れたおむつを長時間つけっぱなしでした…。ごめん長女。

にゃん
カナダではわからない事は自分から積極的に聞く・要求していかないといけないね。受け身で至れり尽くせりの日本とは大きな違いだ。

カナダの病院のごはんは美味しい?

24時間の入院で、朝・昼・晩の3食分提供されます。(下記に写真あり)

日本の産院の豪華な食事とは全くもって比較になりませんが、個人的にはそこそこ美味しいと思います。冷食を暖めた機内食みたいな感じ。ただ、量も品数も少なく満足いくレベルではない。

カナダで出産した日本人ママは「カナダの病院食は激マズだから早く退院したい」「自分でご飯を持って行く方がいい」と言う人も多いです。

もえ
1人目出産(オンタリオ州)の時と似たような食事内容です。水分が多いのが特徴。ちなみにコーヒーは激マズ。

カナダで入院時にあると便利だったもの

カナダでは出産にかかる費用は全て保険で賄われているので、個人負担額はゼロ!そのため基本的には必要最低限のものしか支給されません。

個人的に持って行って良かったものベスト3はこちら

  1. スリッパ(ビーサン)
    スリッパは支給されないので超必須!カナダの病院は基本土足だけど、靴をいちいち履くのはめんどくさいので。履いたままシャワールームに入れるビーチサンダルもおすすめ。
  2. 生理用オムツ(産褥パッド)
    病院で支給される産褥パッドは普通の生理用ナプキン(昼用)…。こんな小さいので受け止めきれるわけない(笑)ということでアジア系スーパーで購入しておいた生理用オムツが重宝しました!
  3. 軽食・おやつ
    無痛分娩だと出産後まで食事が出来ません。出産タイミングによっては病院食にありつけるまで時間がかかるので好みの軽食やおやつを持って行くのがベスト!特にコロナ過中で院内カフェや食堂が閉まっていたので重宝しました。

逆に必要なかったものはこちら

  1. パジャマ
    24時間で退院かつ悪露で汚れる可能性が高いので、自前のかわいいパジャマは必要ありませんでした。病院支給の布切れみたいなパジャマでOK!
  2. ゲーム機・タブレット
    24時間で退院かつ時間があればちょっとでも寝たいので、暇つぶし用のゲーム機やタブレットは必要ありませんでした。スマホがあれば十分!

産後のケアは?最初の検診はなんと産後2日目!

出産から24時間で退院。その後は指定の医療機関で検診があります。

アルバータ州の場合は産後1~2日目にアルバータヘルスサービスから電話があり指定の場所で検診を行います。早ければ退院翌日に初回検診です。オンタリオ州の時も同様で初回検診は1週間目でした。

  • 産後1週間目… 保健センターによるカウンセリング&黄疸チェック
  • 産後2週間目… ファミリードクターによる乳児検診
  • 産後4週~6週目… ファミリードクターによる乳児検診
  • 産後6週間目… OBGYN(産婦人科医)による母親の検診
  • 産後2カ月目… 初めての乳児ワクチン接種

※州によって多少異なる可能性があります。

今回の出産では産後5日間、アルバータヘルスサービスから毎日電話がありました。乳児の様子や排せつ回数、母体の調子など細かく聞かれます。正直なところ電話で起こされるのが結構苦痛でした…。

カナダの無痛分娩(2回目)の感想

カナダで無痛分娩をするのは2回目ですが、進行具合も痛みの有無も前回と違うことが多かった。

1回目の無痛分娩(オンタリオ州)… 痛み・感覚なし。陣痛は全く感じない。下半身はほぼ動かせない。胎盤の排出や会陰の縫合も痛みなし。副反応で発熱。

もえ
無痛分娩最高ー♪この感じならあと2人は余裕で産めるわ!

2回目の無痛分娩(アルバータ州)… 痛みなし。感覚あり。陣痛が来ているのはわかる。下半身はゆっくり動かせる。出産時の圧迫感あり。胎盤の排出や会陰の縫合はかなり痛い。副反応で血圧低下。

もえ
1回目の無痛分娩と全然違う!普通に苦しい!あと2人くらい欲しかったけどこれはもう無理…

同じ無痛分娩でも全く異なる苦しさでした。麻酔が効いていないのかと思い、何度かナースに尋ねましたが「普通こんなもん」とのこと。1回目の出産経験から「麻酔さえ入れはあとは余裕」と思っていたので、思いがけない辛さを味わいました。それでもやっぱり麻酔があるだけマシなのは確かで、無料なら選択しない理由が無いと思いました。

まとめ:コロナ渦中の妊娠・出産を終えて

今回はコロナ渦中の妊娠・出産となりました。

妊婦検診や血液検査はパートナー同行が出来ないため、全て一人ですることに。専門的な英語を使って医師や看護師とやり取りしなければならないので、毎回ドキドキ…。カナダで2回目の妊娠・出産だったので聞かれることや出産までの流れなどは一通り把握していたこともあり、異国の地での出産も特に困ることはありませんでした。

にゃん
もしコロナ渦中で初産だったら、きっとわからないことだらけで辛そう。経験あるなしは大きな違いだね!!

陣痛中は基本マスク着用ですが、分娩中に息が苦しくなるなら外して良いそうです。(私の担当ナースはマスクを外すと嫌そうな顔をするので、私は外しませんでしたが…)

また、検診時こそ一人で行かなければなりませんでしたが、出産立ち合いは1人までOKでした。入院も付き添い1人なら一緒に泊まれるようで、隣の個室の人はパートナーも一緒に一泊したようです。(私は夫には帰宅してもらいました)

まとめ:コロナ過の出産も基本は通常通り。無痛分娩は痛くないとは限らない!!!

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