カナダで初めて家を買う時に利用できる補助金・サポート制度
スポンサーリンク

カナダで資産形成するなら家の購入は最初に検討するべき事案です。しかし住宅価格が高騰するカナダで家を購入するのは年々難しくなりつつあります。

そのためカナダ政府は、初めて家を買う人「Fast Home Buyer」に色々な援助を行っています。これらの援助を上手に組み合わせることで、負担を最小限に家を購入することができます。特に頭金に関するサポートが手厚く、まとまったお金がなくとも購入の検討をしやすくなっています。

もえ
住宅購入時に必ず知っておきたい、カナダの住宅購入サポート制度をご紹介します。

カナダでは賃貸と購入どっちが良いの?

まずは、賃貸と持ち家のメリット&デメリットについて簡単にご紹介します。

ざっくり言うと、「気軽に住めて短期滞在に向いている賃貸 VS 腰を据えて資産形成ができる持ち家」です。

賃貸のメリット&デメリット

家を借りるメリットはとにかく初期費用が安いことです。まず、カナダでは賃貸契約に礼金は必要ありません。敷金にあたるデポジットは半月~1ヶ月分の家賃が目安で、基本的に退去時に全額返還されます。

また、基本的に冷蔵庫やストーブなど大型家電は付いているので、急いで購入する必要もありません。

賃貸のメリット

  • 入居までの手続きが簡単
  • 窓や壁、家電等が壊れたら修理してもらえる
  • 家電付きの賃貸が多い
  • 光熱費などが家賃に含まれている場合がある

賃貸に住むデメリットは長期的に見ると割高になること。家やコンドミニアム(分譲住宅)と違い、賃貸住宅はどんなに支払いを続けても資産にはなりません。そして現在、カナダの土地や家の価格はものすごい勢いで上昇しています。それは家賃も同じで、どんどん値上がり中。物件探しの時だけでなく、現在住んでいる賃貸であってもオーナー次第で簡単に家賃が上がります。

また、オーナーが急に家をリノベーションしたい・売却したいと言い出すことも。そうなるとテナントは引っ越さざるを得ません。このように、急な値上がりや改築で引っ越しを余儀なくされるケースも珍しくありません。

賃貸のデメリット

  • 家賃が上がることがある
  • 長期的に見ると割高
  • 住人の入れ替わりが激しい
  • 家主都合で引っ越しを余儀なくされる場合がある

購入するメリット&デメリット

家を購入するメリットのまず挙がるのは、資産形成できること。カナダ全体で土地・家の価格はどんどん上昇しています。ここ数年は買った時より売る時の方が価格が高くなるという状況が続いています。

近年、ローン金利も最低ラインなのでとても購入しやすくなっています。住宅価値が下がりにくいので、ある程度お金が貯まったら今まで住んでいた家を売って新しい家を建てる(もっと大きな家に引っ越す)というのがカナダ人の基本的なライフスタイルとなっています。

購入のメリット

  • 資産形成ができる
  • 長期的に見ると安い
  • 自由に改築できる
  • 他人に貸し出せば賃貸収入が期待できる

購入するデメリットは、初期費用がかさむこと。購入・ローン契約の際のホームインスペクション費や弁護士費用など、家の価格以外に現金が必要になります。また、頭金の他に家具や家電など最初の数か月は出費がかさみます。年に1度のプロパティタックスも数千ドルとかかるので、ある程度の現金を用意しておかなければなりません。

購入のデメリット

  • 入手続きが複雑
  • 毎年プロパティタックスを支払う必要がある
  • 光熱費やゴミ回収費、修繕費が別途かかる
  • 家電など初期費用が高くつく
スポンサーリンク

カナダで初めて家を買う人が使える制度

家の価格が高騰しているカナダでは、家を買い替えならが資産形成していくのが一般的です。最初の家を購入できれば、カナダでの資産形成においてとても有利になります。

最初の家を買うのが最初のステップになりますが、なにせまとまったお金が必要なので大変です。そこでカナダ政府は、初めて家を買う人「Fast Home Buyer」を対象に色々な援助を行っています。

RRSPから頭金を引き出せる「Home Buyers' Plan (HBP)」

カナダでは多くの人がRRSP(老後/引退後の為に資金形成する口座)に大金を置いているのではないでしょうか。

通常、RRSPからお金を引き出すとその金額が収入として計算され、所得税がかかります。しかし、初めて家を購入する人はRRSPに貯めているお金(最大$35,000)を収入として扱わず引き出し、住宅購入の頭金に充てることができます。引き出した分は15年以内にRRSPに返済します。自分(の口座)にお金を借りて、自分(の口座)に返済するという仕組みで利子もかかりません。

夫婦やカップルで家を買う場合は、各自の口座から最大$35,000(二人で最大70,000)を引き出すことができます。

このプログラムを利用できる人

  • RRSPにお金を持っていること
  • ファーストホームバイヤーであること
  • カナダ在住者
  • 購入から最低1年はその家に住む予定である

上記全て当てはまる人。以前このプログラムを利用したことがある人も条件が合えば再度利用できます。詳しくは公式サイトをご覧ください↓

カナダ政府サイト:Home Buyers' Plan (HBP)

頭金を政府が補助してくれる「First-Time Home Buyer Incentive」

住宅購入金額の5%または10%を頭金として政府から無利子で借りることができる優遇制度です。頭金を多く出すことができれば、銀行への返済額+利子が少なく済むため毎月の住宅出費を抑えることができます。

またカナダで住宅を購入する際、頭金として購入金額の20%を用意できない人は、モーゲージ保証金(CMHC Mortgage Loan Insurance)が発生します。この保証金、頭金を多く用意するほど割合が小さくなるので、「First-Time Home Buyer Incentive」を利用することで負担を抑えることができます。

この優遇制度の面白いところは、返済金額が返済時の住宅価値によって変わること。返済時に家の価値が落ちていれば、返済額は少なくなります。逆に返済時に家の価値が上がっていれば返済額は多くなります。

例①…住宅価値が下がった場合
住宅購入金額:$300,000
助成金(10%借りる場合):$30,000
返済時の家の価値:$250,000
返済額(家の価値の10%):$25,000
例②…住宅価値が上がった場合
住宅購入金額:$300,000
助成金(5%借りる場合):$15,000
返済時の家の価値:$350,000
返済額(家の価値の5%):$17,500

返済は25年後または住宅を売る時のどちらか早い方です。家の価値が落ちてしまっても、返済額も少なくなるので大赤字になるリスクが低くなります。

しかし近年、カナダの都市部では住宅価値が年々上がっているので将来の返済金額も借りた時より多くなるのではという見方が強いようです。この制度で得ができるかはローン金利と住宅価格高騰の動向次第ですね。

このプログラムを利用できる人

  • 年収$120,000以下(トロント・バンクーバー・ビクトリアでは$150,000以下)
  • ローン借入総額が年収の4倍以下(上記の都市では4.5倍以下)
  • 本人またはパートナーがファーストホームバイヤー
  • カナダ市民・永住者・カナダで就職している人
  • 頭金の最低必要額を用意できる人

その他、細かい条件や詳細は下記の公式サイトをご覧ください↓
カナダ政府サイト:First-Time Home Buyer Incentive

インカムタックスの減額に「 Home buyers' amount」

家を買った年の確定申告で$5,000を控除申告できます。単純にインカムタックスが少なくなるので、忘れずに申告しましょう!

このプログラムを利用できる人

  • 本人またはパートナーが家を購入した
  • ファーストホームバイヤーであること
    first-time home buyerの定義は、購入年と過去4年間に本人またはパートナー所有の他の住宅に住んでいないこと。

詳しくは公式サイトをご覧ください↓

カナダ政府サイト:Home buyers' amount

新築購入の消費税が安くなる「GST/HST New Housing Rebate」

カナダで新築物件を購入する場合、GSTまたはHST(消費税)を支払いますが、カナダ住居者にはこのうち数パーセントが返還されます。

購入するのが新築物件であること、マーケットバリューが$450,000未満であることなど細かい条件があります。

にゃん
物件価格が高騰しているカナダで新築で$450,000となると、地方都市のしかも郊外でないと難しそうだね。

もえ
co-operative housing corporation (co-op)を購入する場合にも申請できるみたいだよ。

数パーセントの返還でも住宅のような大きな買い物では大金になります。新築物件を検討する場合は確認しておくと良いでしょう。詳細は下記の公式サイトをご覧ください。

カナダ政府サイト:GST/HST New Housing Rebate

環境に優しい住宅に改築すると補助金「Canada Greener Homes Grant」

住宅を省エネ改築するときに、カナダ政府から最大$5,600の補助金がでるプログラムです。環境を大切にするカナダらしい取り組みですね。

シングルハウス(一軒家)だけでなく、ローハウス、タウンハウス、コテージでもこのプログラムに参加することができます。登録できるのは物件1件につき所有者1名のみで、その物件に住んでいることを証明する必要があります。また改築前後に査定も入るので、しっかりとした計画が必要です。

例えば、壁や床の断熱工事、窓やドアをENERGY STAR®認定モデルに取り替える、手動サーモスタットをスマートサーモスタットに取り替えるなどです。そして、どんな改築にどれくらいの補助金が支給されるのかも細かく決まっています。

もえ
補助金で省エネ工事ができて光熱費も安くなる。工事費を多少負担することになっても長期的に見たらかなりお得かも!

プログラムへの参加・詳細は公式サイトをご覧ください。

カナダ政府サイト:Canada Greener Homes Grant

各州政府によるサポート

カナダ連邦政府の補助金のほか、各州政府が主導するプログラムもあります。

例えば、アルバータ州では初期費用の一部の支払いを待ってもらえるプログラム「First Place Program」があります。頭金や諸経費など、家を買うのにはまとまったお金が必要ですが、このプログラムを利用すれば大金を一度に用意できなくても家を購入しやすくなりますね。将来的にお金を返さなくてはいけませんが、十分な完済期限が設けてあるので無理をせず返済できます。ただし購入する家の価格や年収制限などの条件があるので要チェックです。

にゃん
各州で色々なサポートがあるので家の購入を検討している人は「州名+First home buyer」で調べてみよう!
スポンサーリンク

まとめ:政府のサポートを賢く利用して住宅購入しよう

にゃん
こんなにたくさんのサポートがあるんだね。全部併用して申請できるのかな?

もえ
条件に適合していれば全ての補助を受けることができます。

住宅価格が高騰するカナダで、家を買えるのはお金持ちばかり…といった風潮があります。特にバンクーバーやトロントといった人気都市では顕著です。しかし賃貸に住み続けるということは、他人のローンを支払い続ける(他人の資産形成に協力している)ということなので、頭金が用意できる人は住宅購入をする方が良いと思います。

最初の家を買うのは大変ですが、こういった政府のサポートを上手に利用すれば負担も多少軽くなるので住宅購入も選択肢に入ってくるかもしれませんね。住宅購入が決定している人も、場合によっては最初の数年の負担がかなり軽くなるので政府のサポートをぜひご検討ください^^

スポンサーリンク

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterで交流しよう

おすすめの記事