無痛分娩のリアル体験談!陣痛開始から66時間かかった海外出産 in カナダ
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先日、カナダで第一子を無痛分娩で出産しました。陣痛10分間隔から出産までなんと66時間もかかり、間違いなく人生で一番辛い体験となりました。陣痛開始~産まれて帰宅するまでの生々しい体験談と、体感した無痛分娩の素晴らしいメリットをご紹介します。

正直なところ、「無痛分娩だから楽ちん」と思っていましたが全然そんなことありませんでしたよ…。無痛分娩だから平気と信じているとひどい目に合うかもしれません。しかし、出産はつらいけれど、無痛分娩自体は素晴らしいと思います。

この記事を読んでほしい人
  • 無痛分娩を検討している
  • 無痛分娩の理解を深めたい
  • 海外で出産を予定している
  • 無痛分娩の生々しい体験談が聞きたい

無痛分娩とは

出産時に麻酔を使い、痛みを和らげる出産方法。出産の日程をあらかじめ決め、麻酔と陣痛促進剤を使う計画無痛分娩と、陣痛が始まり子宮口が数センチ開いてから麻酔をする無痛(和痛)分娩があります。後者の場合は子宮口が開くまで陣痛を体験することになるので、完全に無痛ではありません。

日本では麻酔医確保などの理由で計画無痛分娩が多い。しかし海外では麻酔医が常駐している病院でしかそもそも出産自体ができません。そのため、陣痛が始まってからサポート的に行う無痛分娩でも麻酔医が対応できるようになっています。

硬膜外麻酔は痛みが出てきたら背中に通した管から追加注入します。しっかり効けば麻酔後は出産が終わるまで痛くありません。

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カナダでは無痛分娩が無料

医療費は全て無料のカナダでは、もちろん出産費用も無料。日本では追加で30万円近くかかる無痛分娩も無料です!すごいですね。

硬膜外麻酔はEpidural(エピドラル)を使います。硬膜外麻酔以外にも、笑気ガスやモルヒネの準備もあるそうです。どれも無料です!

入院予約時のバースプランを提出するときに「Epidural(エピドラル)」にしっかりチェックを入れましたが、普通分娩のつもりでも出産時に耐えられそうになければ都度無痛にしてくれます。

カナダでは計画無痛分娩ではなく、子宮口がある程度開いてから硬膜外麻酔をするので病院へ行くまでは自然分娩と変わりありません。

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無痛分娩のリアル体験談:陣痛開始~出産まで66時間

出産予定日をちょうど1週間過ぎた頃に突然痛みがやってきました。最初は生理痛レベルだった痛みが生理痛の激痛レベルにパワーアップしたのは4,5時間たったころ。陣痛測定アプリを使いながら陣痛間隔をはかると、30分置きです。

この時点で深夜なので布団にはいるも、陣痛の度に目が覚めます。は生理痛のような下痢のような…お腹が痛いというより、体全部が苦しいって感じでしょうか。

翌日朝、陣痛が始まり病院へ。しかし何度も帰宅させられる

日本なら10分間隔で病院というのがデフォですが、カナダの出産は陣痛が始まっても5分間隔になるまでは自宅待機。しかし、「痛い!8分だけどもう無理!」ってことで病院に駆け込みました。

陣痛8分間隔で病院へ(1回目)。子宮口が全く開いていない!

何もできないくらいの痛みだし、このまま入院かなと思って病院に行ったのに、なんと子宮口が全く開いてないどころか、確認できないくらい奥にあると言われる(笑)

ドクター
入院してもできることないし、一旦帰宅してください。

深夜に陣痛!病院へ(2回目)

帰宅してもやっぱり痛い。病院でもらった痛み止めも効いているか微妙な感じ…。その深夜、やはり耐えられずに病院へ行きました。気になる子宮口は1センチ…(笑)

ドクター
子宮口4センチ開いたら入院できるからね。それまでがんばって!

お尻に痛み止めの注射をして帰宅しました。お尻に筋肉痛のような痛みと吐き気・頭痛の症状が出ましたが陣痛の苦しみよりは幾分マシです。物凄い眠気が襲ってきて死んだように眠りました。しかし4時間しか効かないのですぐに目が覚めてしまいます。

翌日の深夜に再度病院へ(3回目)

陣痛間隔は約5分間隔。この時点で陣痛が始まってから40時間以上経過していました。痛みもずっとあるので、ほぼ寝ていません。5分おきに悲鳴を上げていたので近所迷惑だったと思います…。深夜2時過ぎに病院へ行きました。そして追い返される…。(3回目)。

さっさと促進剤やバルーンで産んでしまいたかったのですが、この病院では予定日10日超までは緊急時以外に特別な処置はしないんだとか。この時点で予定日5日目。あと5日経過する前に力尽きて死ぬか気が狂って犯罪者になるんじゃないかと思うと涙が溢れました。

陣痛開始から50時間。4回目の訪問でやっと入院

病院から返された日の朝、やはり激しい陣痛が3~5分おきにありました。普通なら入院していい間隔です。しかし深夜に病院から追い返された時と痛みは変わらず、もはやいつ病院に行けばいいのか全くわからなくなっていました。

とりあえず病院に電話をしてみるものの、「来てください」とは言われない…。電話越しに悲鳴を上げていると、突然バシャっ!と温かいものが股からでてきました!

My water broke!!!! (破水しました!)

こんな状況でも英語が出てくる自分に感動しました()

硬膜外麻酔(エピドラル)を打つ

病院に到着後、入院OKがでると車いすで陣痛室へ移動しました。普通は歩いて移動するそうですが、私は無理でした…。陣痛室から麻酔をする処置室へ行くときも、歩くのを拒否してベッドごと移動してもらいました。

いつもの私なら、ベッドごと移動なんて恥ずかしいしみんな歩いて移動するんだからと頑張って歩いたと思います。しかしこの時はそんな考えは1ミリも過りませんでした。

Epidural(エピドラル)の準備ができるまで

病院に到着した時点で子宮口は6センチ。硬膜外麻酔の準備ができるまで1~2分毎の陣痛がありましたが、もうすぐ麻酔だと思うと自宅で耐えているときよりも精神的に数倍楽です。ちなみに、この待ち時間に笑気ガスも試してみたのですが気休めにもなりませんでした。

処置直前に硬膜外麻酔のリスクについて麻酔医から説明がありますが、陣痛真っ只中。頭の中は「いいから、はやく!」でいっぱい。全く聞いていませんでした。なんでこんな時に説明するのか…。

硬膜外麻酔は痛くない

麻酔を入れるカテーテル挿入時は絶対に動いたらダメ。陣痛が来ると一旦ストップ。それを繰り返して10分ほどかかります。動かないようにするのが大変でしたが、看護師さんが褒めてくれるのでモチベーションを維持できました。

注射大嫌いの私ですが、硬膜外麻酔の痛みはいつ注射したのかもわからないくらいで、気づいたら終わっていました。

麻酔が効いてからは天国

10分ほどで麻酔が効いてくると嘘みたいに陣痛の痛みは全くなくなりました。私の場合、副反応で発熱がありましたが自覚症状はありません。

一定時間ごとに腰のカテーテルから麻酔が注入されます。痛みはなく、ひんやり気持ちいいです。感覚がなくなるのでトイレは行けません。尿意もわからないので導尿をしてもらいます。最初は恥ずかしい気持ちがありましたが、二回目からは「トイレ行かなくて楽だな」と思う余裕ができました。

ここから子宮口全開まで12時間かかりましたが、全く痛くないので寝て過ごしました。陣痛で何日も寝てなかったので久しぶりの爆睡zzz

無痛分娩で出産~切開・縫合

子宮口が全開になっても赤ちゃんの準備が整うまで2時間待ちました。全く痛くないので平気でしたが、これも無痛分娩ならでは。

カナダの病院では陣痛・分娩・出産直後の体力回復を全て同じ部屋で行います。移動する必要がないのはとても楽ですね!

麻酔が効いていて痛くないのに、ちゃんといきめるのは不思議です。3いきみくらいで出てきたので20分もかかりませんでした。縫合時も感覚がないので、家族や看護師さんと会話しながら待ちました。

出産は2000カロリーくらいのエネルギーを使うとネットで見ましたが、私の場合は100カロリーくらいしか消費していないと思いました。汗も一滴もかかず、アッサリとした出産となりました。

体感した無痛分娩のメリット

出産前から無痛分娩の色んなメリットを調べてきましたが、自分で体験して感じた大きな利点は下記の3つです。

ストレスを軽減できる

陣痛が何日もかかり、相当なストレスがかかっていました。そんな中でも、「もうすぐ麻酔できる!」というのが心の支えになりました。

陣痛は力尽きて死ぬか、気が狂って犯罪者になるんじゃないかというレベルのストレスがかかります。私は出産のクライマックスの痛みは経験していませんが、アレより痛いのかと想像するだけで恐ろしいです…。

出産を冷静に楽しめる

陣痛中こそ「痛い!痛い!」と喚き散らしていましたが、麻酔が効いてからは急に冷静に。室内の設備を観察したり、無料の食べ物コーナーに何が置いてあるか気にしたり、テレビ電話で実家や兄弟に実況中継したりとさっきまでの猛獣っぷりが嘘みたいです。

出産中も談笑できるし、「赤ちゃんがんばれ!」と温かい気持ちで応援し、大切な瞬間を楽しめることは大きなメリットだと思います。

無痛分娩だと母性が湧かないと言う謎理論も聞きますが、無痛分娩で冷静になっているからこそ赤ちゃんにもうすぐ会えるワクワク・ドキドキを十分に味わうことができました。

産後の回復が早い

カナダでは産後24時間で退院となります。1日しか入院できないなんて…と不安でしたが、実際は日帰りでも大丈夫なくらい余裕があります。検査等で1日は入院しないといけないと言われてガッカリ。

「外国人は体格が違うから産後すぐに動ける」と日本では言われていますが、実際は体格の差ではなく無痛分娩が主流かそうでないかの違いのような気がします。

私も麻酔が効くまでの陣痛でHPは2くらいに減り瀕死状態でしたが、麻酔後の昼寝でHP80まで急速回復。出産後もHP70くらい残すことができました!まだまだ戦えます!

出産翌日には近所のスーパーに買い物に行きました。会陰切開をしているので、縫合箇所に痛みはありますが体力と気力は十分にある感じです。さすがに家事はしませんでしたが、寝転んでゲームをしたり猫と遊んだりする元気はあります!

無痛分娩は「楽」じゃない!

麻酔が効いてからこそ天国ですが、それまでは言葉で表現できないほど辛かった。

実は私の出産と同じタイミングで、妹も1か月違いで出産をしました。日本での出産のため、無痛分娩ではなく自然分娩です。

妹の場合は陣痛が始まってから6時間で出産。しかもほとんどが弱い生理痛レベルの痛みで苦しんだのは最後の30分だけだとか!実の姉妹(1歳違い)でもこんなに違うとは驚きです。


出産を経験するまでは「無痛分娩だから自然分娩よりも楽」だと思っていましたが、そうでもないようです。妊娠・出産は人によって様々。「無痛分娩だから楽に出産できる」とは限りません。

妹が「生理痛」と表現した痛みですが、私の場合は「巨人に体をねじり切られる痛み」でした。それが10分間隔で出産まで66時間…。しかし麻酔が効いてからの12時間は楽で、苦しんだのは54時間で済みました。無痛分娩にして良かったと心から思います。

海外では無痛分娩が主流

看護師さん曰く、ここの病院では80%以上の妊婦が無痛分娩を選択するそうです。普通分娩のつもりでも痛みを体験すると無痛に変更する人も少なくありません。

無痛分娩だからといって出産が楽になることはありえないのですが、レベル100の痛みを80くらいに抑えられる気がします。私は自然分娩を経験したごとはありませんが、絶対に出来ない。やむを得ない事情で自然分娩になることはあるかもしれませんが、わざわざ自分で選択するなんてドMにも程がある…。出産は本当につらいので、土壇場になって突然無痛分娩をお願いしたくなる気持ちが今なら痛いほどわかります。

今回の無痛分娩はとてもいい経験になりました。

日本では医師や設備の不足から、なかなかメインの出産方法とならない無痛分娩。カナダで体験してみてその良さを実感しました。日本でも安全で手軽に無痛分娩を選べるように施設や制度が整えばいいなと思います。

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