産後の突発性難聴から完治までの記録と体験談
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ある日突然、片耳が聞こえなくなってしまいました。ただ聞こえないだけでなく、耳に水が詰まったような閉塞感と酷い耳鳴りが常に続いている状態でストレスMAX!

まだ30代に入ったばかりというのにもう耳が聞こえないのかと一瞬絶望の淵に立たされましたが、服薬による治療の結果、ほとんど自覚がないほど完治することができました。

もえ
突如にして一切の音が聞こえなくなる突発性難聴になってから完治までの毎日を綴った体験談です。

突発性難聴とは

突発性難聴とは、何の兆候もなく突然耳(主に片耳)が聴こえなくなる病気です。誰でも発症する可能性があり明確な原因は不明とされています。
(参考:厚生労働省サイト「突発性難聴について」

突発性難聴の主な症状

  • 難聴(主に片耳・稀に両耳)
  • 耳鳴りや音割れ
  • めまい・吐き気
  • 耳の閉塞感

3000人に1人の割合で発症する突発性難聴。放置した場合の完治率は約30%と言われています。30%は改善するものの後遺症が残り、最後の30%は全く改善しないまま治療のすべがなくなります。

突発性難聴の治療は早期に対応することが最も大切で、48時間以内に治療を開始すると完治率もぐっと上がります。発症後1週間以内に適切な治療法を受けた場合の完治率は約40%、その他の50%の人にもなんらかの改善がみられます。

一方で、治療開始が遅れた場合は完治することが非常に難しくなるそう。特に1ヶ月以上経ってしまうと、聴力が固定されてしまい時間をかけて治療しても改善することはほぼ不可能のようです。

症状の出方には個人差があり、高度難聴やめまいを伴うものほど完治が困難になります。

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【体験談】発症から完治までの記録

産後1ヶ月を過ぎた頃、突発性難聴にかかってしまいました。

発症当時の症状はこちら↓↓

  • 難聴(耳かきが無音なレベル)
  • 耳鳴り・音割れ
  • 耳の閉塞感

もえ
耳に異常を感じてから、改善するまでの体験を毎日少しづつ記録していたのでまとめました。

1日目・2日目 時々聞こえ方が変になる

この頃はまだしっかり聞こえていました。

大きな音(子供の泣き声とか)を聞くと、耳の中の方でジジジ…と乾いた音がするのが気になっていました。時々音が音割れして響くことも。

しかし頻繁ではなく、この時点ではちょっと疲れてるのかなくらいで突発性難聴の自覚は全くありませんでした。

3日目 耳鳴りが酷く聞こえない事に気が付く

朝、音楽を聴いていると耳鳴りがしていることに気が付きました。耳鳴りはどんどん音量を増して来て、昼頃になるともはや爆音。耳鳴りがするせいで周りの音が良く聞こえないと思っていました。

夕方ごろ、周りの音が聞こえないのは耳鳴りが邪魔しているからではなく、左の耳がほぼ聞こえなくなっていると自覚。スマホアプリの簡易聴力検査をしてみると、左耳は60~70Hz(高度難聴)という結果に。

高度難聴について調べると「一般の声の大きさでも聞こえなくなるため、聴こえづらいというレベルではなくほとんど音が聞こえないレベル」とあり、まさにその通り…。

さらにネットで調べると「突発性難聴」と全く同じ症状ということがわかりました。症状の一つである「めまい」は感じないものの、突然聞こえなくなる・激しい耳鳴り・片耳だけという点では一致しています。

突発性と聞くと、一過性のものですぐに治るような印象があります。しかし実際の完治率は約30%でほとんどの人は後遺症が残るか聴力は戻りません。

そして突発性難聴はとにかく早く治療を開始することが重要です。明日の朝一で病院に行くこと決めますが、ここはカナダ。カナダでは耳鼻科等の専門医に会うには、まず主治医に診てもらい紹介してもらう必要があります。予約がすぐにとれることも稀。この状況で早い治療は難しいのでは…

そして私は現在生後1カ月の子どもを完全母乳で育てています。突発性難聴の治療は入院して点滴をするのが日本では一般的と知りますが、赤ちゃんがいるのに入院なんでとんでもない。しかも母乳に影響があるステロイドの点滴や服薬は厳しい…。

検索を続けていると、場合によっては母乳をとるか耳を取るかの選択をしなければいけないというブログ記事も見つけてしまいました。生後10カ月ならそのまま卒乳すれば良いけども、子どもはまだ生後1ヶ月。頻回授乳を続けてやっと完母として軌道に乗ってきたばかりです。

聴力か母乳かどちらかを失うかもしれない。聴力は治療をしても戻らないかもしれない…と考えるととにかく不安な一夜を過ごしました。

4日目 耳鳴りが無くなるも完全無音。急いで病院へ

朝起きると耳鳴りはなくなっていました。それでも左耳は全く聞こえません。耳鳴りが無いと左だけとても静かで本当に聞こえないという現実を突きつけられて大きなショックを受けました。

どれくらい聴こえないかと言うと、耳かきをする音すら全く聴こえない状態。聴こえないので、耳かきでこする感覚もわからないほど。

もえ
聴力は毎日変化していきますが、この日が聴力低下のピークでした。

主治医に耳の中を見てもらうものの、見える範囲で以上はないとのこと。このクリニックでは聴力検査ができないので、専門機関で検査を受けてくるよう言われました。最短で予約できる検査日まで5日はあります。そのため取り急ぎ薬を処方してもらいました。

  • プレドニゾロン(ステロイド薬)
  • バラシクロビル(抗ウイルス薬)

気にしていた母乳への影響ですが、処方された薬(量)では影響ないとのこと。それでも一応、服用してから4時間は授乳しないようにしました。

ステロイド内服薬は初日に50㎎、2~4日目に40㎎、5~7日目に30㎎、8~10日目に20gmと徐々に減らしながら10日間摂取します。このステロイド内服薬が激マズ…大量の水で瞬時に流し込んでも苦みが口中に広がります。胃に負担があるので食べ物と一緒に飲むよう言われました。

バラシクロビルはヘルペスに効く抗ウイルス薬です。私は免疫機能が低下するとすぐに口唇ヘルペスが出てくるので、免疫抑制効果のあるステロイドは少々不安でした。抗ウイルス薬のおかげか、今回はヘルペスが出てくることはありませんでした。

5日目 突発性難聴が治ってきた?!

発症から5日目、ステロイド内服薬を始めて2日日。左耳が聴こえない事に慣れてきているのか、一瞬「あれ、聴力戻った?」と感じる時があります。

しかし、聴こえる右耳を塞いでみるとやはり水の中にいるような閉塞感と無音の世界が広がっていました。まだ薬を始めて2日目ですが、もしかしたら治って来てるかもと夜間授乳で目が覚めるたびに期待してしまいます。

ところが、この日からちょっとした変化が始まります。明け方には全く聴こえていなかった耳元で爪をはじいてみると、かすかに音が聴こえます!耳かきでつついてみるとその摩擦音も少しだけ感じました。

また聴力検査アプリで調べてみると、40~60Hz(中等度難聴)で前回よりも聴こえるようになっています!

とはいえまだ勘違いレベルの変化です。それでも完治率が30%と言われる中でほんの少しだけ希望の光が見えた気がしました。

6日目・7日目・8日目 確実に聴力が戻ってきている

発症から6日目、治療を始めてから3日目。

昨晩、聴力に少しだけ改善が見られたで、もしかしたら治っているかもしれないと期待しつつ目覚める朝。はやり左耳は聞こえません。

前日試したのと同じように、耳元で爪をはじいてみるとしっかり聴こえます!少しづつ距離を開けていくと30cmくらい先なら聴きとれることがわかりました。今回は錯覚ではなく、確実に良くなっているという手ごたえを感じます。どこまで治るかはわかりませんが、完全に無音ではないだけで心底ほっとしました。

それでも会話などの意味がある音を聞くのは難しいのに変わりなく、聴こえても音割れしていたり耳鳴りが頻発して不快感は否めません。

それでもこの日から、毎日少しずつですが聴こえるようになってきていることを確信しました。突発性難聴は最初の2週間の治療がとても大切と言われており、1ヶ月を過ぎると元の聴力まで回復することはかなり厳しくなるそう。

最初の1週間でどこまで回復できるかにかかっています。

9日目 聴力検査の結果

発症から9日目、治療を始めてから6日目。

カナダで聴力検査をするためには専門機関で予約をとる必要があります。そのため、突発性難聴でもすぐに検査を受けることができません。

私の場合は、最短で予約がとれたのが治療を始めてから6日目。主治医に処方された薬を半分以上消費して徐々に聴力が戻りつつある頃でした。突発性難聴の症状である耳の閉塞感はほとんどなくなり、耳鳴りが時々発生するのが気になる程度です。

30分以上かかる詳しい検査の結果、右耳はほとんどの音域で0~10Hzを聴きとれるのに対して問題の左耳は20~30Hz。正常範囲と言えるボーダーラインが25Hzなので、左耳はギリギリ軽度難聴。右耳と比べると聴こえにくいのがわかりますが、生活には問題ないレベルです。

突発性難聴発症から2週間で完治

突発性難聴を発症してから2週間。あれから検査はしていませんが、もう右と左の差を自覚しないほど回復しました。

耳の閉塞感だけでなく、気になっていた耳鳴りもすっかり良くなりました。最後に薬を処方してくれた主治医に診てもらい、完治ということで治療は終わり。

放置した場合の完治率は約3割、高確率で何らかの後遺症が残ると言われる突発性難聴ですが、すぐに治療を始めたことが功を奏して元通りの生活が出来ています。

専門医にすぐにかかれないカナダで、主治医の予約がすぐにとれたこと、主治医に突発性難聴の知識があり診察直後にステロイド薬を処方してもらえたこと、点滴や注射等の大がかりな処置を行わずに完治できたことは大変な幸運だったと思います。

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まとめ

突発性難聴の原因ははっきり解明されていませんが、ストレスや過労が引き金となるケースが多いそうです。

私が突発性難聴を発症したのは、夫が育休を申請してまもなく休みに入ろうかというころ。第二子である息子は昼夜問わず良く寝る子です。2歳半の第一子がいるので自由に昼寝ができる状況ではありませんが、それでもそこまでストレスを感じていません。家族サポートも十分にあり、ストレスや過労が原因と言われると「なぜ今回?」という気持ちでいっぱいです。

夜間授乳で睡眠時間が細切れになったり、二歳差育児の忙しさで自覚はなくても体力的に限界が来ていたのかもしれません。二人目で「慣れ」ているからこそ、無意識に身体に無理をさせていたのでしょう。

今回、聴力がどんなに大事か深く実感しました。もう二度とこんな目にあいたくありません。しっかりと休養しようと思います。

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