
日本の民族衣装として世界でも有名な着物。せっかく日本人に生まれたんだから海外でも着てみませんか?
ということで、着物大好き元仲居がオススメする海外でも使える着物の種類と必要な小物一式をご紹介します。
- 着物の種類
- 海外で着るのにおすすめの着物
- 着付けに最低限必要な小物
タップできる目次
海外で着物を着る機会
日本でもあまり着用する機会が少ない着物。海外ではどんな時に使えるのでしょうか。私がカナダ滞在中に着物を着用した(来た人を見た)のは下記3パターンです。
結婚式やパーティー
海外に長く住むと、結婚式やパーティーに招待される機会があります。そんな時に、着物を着ていくと会場がぱっと華やかになります。移民が多いカナダでは、他の国の民族衣装を見ることも。
ただでさえ豪華で目立つ着物。振袖などの派手な着物を結婚式で着る場合は、花嫁を差し置いて注目されすぎないように気を付けてください。
記念日や大切な日に
結婚記念日など特別な日に、ちょっと高級なレストランに行くときに着てみるのはいかがでしょうか。ドレスコードがあるような場所は、着物で行けば雰囲気もいい感じ。
自然豊かなカナダで着物をまとい、海辺を散歩したり桜を見たりするのも素敵です。
イベントやコスプレ
海外で盛り上がるイベントといえば、ハロウィン。着物ならそのままハロウィンのコスチュームにできてしまいます。ガチのコスプレは恥ずかしいという人も、着物なら外を出歩くのに抵抗が無いかもしれません。
着物に対する外国人の反応
日本に詳しくない人も、映画の影響か着物なら知っているという人が多い。実際に着物で海外の街を歩くと、「コンニチワ!」とか日本語で声を掛けられることもあります。
とにかく派手で目立つので、どこに行ってもジロジロ見られますが、”beautiful”、”very pretty”と通りすがりに言ってくれる人もいます。目立ちたがり屋さんなら着て損はないでしょう。
着物の種類
着物といっても実は物凄くたくさんの種類があります。代表的な着物の種類をご紹介します。もし、家族や親せきから譲ってもらった着物をお持ちの方は、どれに該当するか確認してみてください。
留袖
袖が短い留袖は2種類。黒い生地の下の方に柄の入った黒留袖は、既婚女性の第一礼装です。結婚式で親族が着用する最も位の高い着物。
色留袖は、色生地の下の方だけ柄の入った着物で、既婚未婚問わず着用できます。5つ紋付は黒留袖と同格、1つ紋、3つ紋は後ほどご紹介する訪問着と同格です。
振袖
成人式で人気の振袖は、未婚女性の第一礼装。長い袖と絵羽模様(模様が縫目で切れず一枚の絵のように染められている)が美しいですね。
柄も上半身まで入っていて、帯も派手な結び方をするので、注目度ナンバーワンです!
訪問着・色無地
色のついた生地に柄がたくさん入った訪問着はパーティーや社交用にぴったり。振袖よりも袖は短いですが、肩や袖まで届く絵羽模様(模様が縫目で切れず一枚の絵のように染められている)が、留袖より華やかです。
色無地は白生地を黒以外の色で染めた着物。無地でシンプルですが、格のある袋帯を合わせるととても上品で素敵です。
小紋
同じ柄で全体を繰り返し染めた着物です。結婚式や社交場などには向きませんが、ちょっと散歩をしたりお稽古へ向かったり、おしゃれ着としていつでも使える一着です。小紋の中でも遠くから見えないほど細かい柄が入ったものは江戸小紋といいます。
浴衣
日本の女性なら1着は持っている浴衣。お祭りでみんなが着ているあれです。着物とは着付け方法や小物が異なりますが、浴衣・帯・下駄の3点セットがあればすぐに着られる楽ちん和装です。
海外で着るのにオススメの着物の種類
たくさん種類があるので、海外に持っていくならどれがいいか悩みますね。海外でも使い勝手が良かった着物をご紹介します。
外国人に人気の着物は訪問着か小紋
外国人はとにかく派手なものがお好き。したがって、人気度で言えば派手で豪華な振袖が1番です。しかし、振袖は未婚者限定の装いで、さらに着付け(帯結び)がとても大変。重量もあるので海外持ち込みはお勧めできません。
準礼装の訪問着はパーティーで着ることができ、用途が広くてオススメです。小紋はカジュアルな装いですが、軽くて短い半幅帯も合わせられるので荷物を少なめで持っていきたい人にピッタリですよ。
海外でもお手入れ簡単。洗える着物
メンテナンスが難しい正絹や高価な着物を海外で着るときは汚さないよう気を付ける必要があります。
一方、ポリエステルなど化繊の着物は汚しても洗濯機でガンガン洗えます。万一の時のメンテナンス業者がいない海外で着る着物は、お手入れが簡単なポリエステル生地か、汚しても割り切れる中古着物がオススメ。
ちなみに私が気に入って使っているのはこちらの洗える訪問着。柄が選べる4点セット(訪問着・袋帯・帯揚げ・帯締め)です。
訪問着よりも安価で、カジュアルに着こなせる小紋もおすすめですよ!
探してみたら、可愛い柄の小紋がなんと15000円以内でありました。これなら洋服並みの値段なので汚す心配が軽減されますね。
いろんな柄から選べるのできっと好きな着物が見つかるはずです。
海外で着物を着る場合に必要なもの
海外で着物を着る場合、自分で着ることが前提となります。自分で着付けをする際に、最低限必要なものをご紹介します。着物も着付け小物も海外では手に入りにくいので、日本から持ち込みましょう。
- 着物
- 帯
- 襦袢&衿芯
- 帯揚げ&帯締め
- 足袋&草履
- 着付け小物
それでは、一つずつ詳しくご紹介していきます。
着物と帯
お好きな着物と、それに合わせる帯が必要です。訪問着+袋帯または、小紋+半幅帯(または名古屋帯)がオススメです。最近はネットショッピングで安いものが簡単に手に入ります。
襦袢・衿芯・帯揚げ・帯締め
着物の下に着る襦袢(じゅばん)は、1枚になった長襦袢と、上下が分かれている二部式襦袢があります。
個人的には二部式のほうが楽なのでおすすめ。海外で使用することを前提に、洗える素材・半襟付き・衣文抜き付きであることが絶対条件です!
帯締めと帯揚げは着物と帯の色に合わせてお好きなものを1つずつ用意しましょう。
帯揚げは洗えるポリ素材よりも正絹の方がなぜか安いです。普通に手洗いしていますが全く問題ありません。安いものなら、それぞれ1000円くらいから見つかります。
忘れがちですが、衿芯も大切。綺麗に着つけるために絶対必要なアイテムです。和装下着はなくても、ノンワイヤーブラ+キャミソールまたはロングスリップで代用できます。
着付け道具
セットで販売されている着付け小物一式を購入すれば間違いありませんが、私が持っている着付け小物を一覧にしました。これらがあれば着付けできます(振袖除く)。
- 腰ひも2本
- 伊達締め1本
- 帯枕1個
- コーリンベルト1~2本
- 着付けクリップ2~3個(洗濯ばさみで代用可能)
足袋・草履
忘れがちなのが足袋。最近では靴下みたいにつるんと履けるポリエステル足袋も人気ですが、破れやすく滑りやすいので、私は仲居時代から、綿生地のコハゼ付き足袋を使っています。
海外の道路は舗装されずに土むき出しの個所も多いです。そのため、草履は安くていいので汚れても拭いて綺麗にできるエナメル加工のものが絶対に良い!
3000~4000円位の物が壊れにくく価格とバランスが取れています。私が仲居時代から10足以上リピートしているオススメは下記の草履です。
飾り小物
飾り小物はなくてもOKですが、可愛く着こなしたい人は用意しましょう。小紋なら現地で見つかる洋風の髪飾りを付けても素敵かもしれませんね。
- 帯止め
- 伊達襟
- かんざし
- 着物カバン
海外で着物は挑戦する価値あり
荷物がかさばりそうな着物一式ですが、必要なものだけなら意外とコンパクト。1セットの重さは約3kg(袋の重さ含む)でした。
着付けは、訪問着や小紋なら少し練習すれば自力でできるようになります。YouTubeに着付け動画もたくさんあるので参考になります。それに、海外に住んでいる日本人で着付けができる人がいるかもしれません。
海外での着物ライフもなかなか楽しいですよ!興味のある方はぜひ試してみてください。