某英会話スクールのCMでよく見かける石原さとみさん。英語が話せる女優さんとして有名で、映画「シン・ゴジラ」では日系アメリカ人役として登場しています!
石原さとみさんの英語力はネットでよく話題になりますが、果たして英語圏のネイティブから見て彼女の英語は上手なのでしょうか?下手なのでしょうか?
そこで映画「シン・ゴジラ」における石原さとみの英語について、アメリカ人に直接聞いてみました。すると厳しくも「違和感を感じる。」という意見が多くあがりました。
アメリカ人が「シン・ゴジラ」の石原さとみさんに違和感を感じる理由をベースに、日本人が演じるアメリカ人について考えます。
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アメリカ人が「シン・ゴジラ」の石原さとみの英語に違和感
先日アメリカ人やカナダ人の友人と、映画「シン・ゴジラ」を見ていたときに言われた一言。
驚く私。主演の長谷川博己さんをはじめ、登場するのは日本国内でも最前線で活躍するトップクラス俳優ばかりです。チープの要素なんてない…。
チープだと思う理由を詳しく聞いてみると、日系アメリカ人役の石原さとみさんの英語について厳しく指摘されました。
要するに、「英語ペラペラの役者を雇えなかったのか?」ということだそうです。
映画「シン・ゴジラ」で、アメリカ人を演じる石原さとみ
まず、石原さとみさんが演じるカヨコ・アン・パタースンとはどのような人物なのでしょうか。
- 若くしてアメリカ大統領特使
- 日本人の祖母を持つ日系3世
- 父親は上院議員
- 美しく、才能豊か、自信家でかなり気が強い
- 大統領になるわよ!って堂々と言っちゃう
えーーーと。日本にいたら間違いなく嫌われるタイプですね!!
実際、日系アメリカ人って英語しゃべる?
日系アメリカ人は日本人の外見。一見すると英語なんて全く話せそうにありません。
しかし3世ともなると、両親もアメリカ生まれで英語が第一言語のはず。2世でも育った国の言葉が一番得意になるので、3世だと完全に英語ネイティブと思ってよいでしょう。逆に住んだことがない国の言葉(日本語)をマスターするほうが大変です。
ちなみに、劇中でカヨコは「日本は、おばあちゃんの国」と言っていますが、おじいちゃんや両親には言及していません。つまり「カヨコの家族で、日本で生まれ育ったのはおばあちゃんだけ」と考えてよいでしょう。
石原さとみ演じる「カヨコ・アン・パタースン」の英語
英会話スクールのCMでおなじみの石原さとみさん。以前は英語教師役もしていましたし、日本では英語のできる女優さんのイメージですね!
しかし、映画「シン・ゴジラ」での彼女の英語について、外国人から酷評。
激しい日本語なまりの英語
発音に関して言えば、彼女の第一言語が日本語だとすぐにわかるくらいの日本語なまりがあります。英語を第一言語とする外国人が聞くと、なんかちがう感が半端ないんだとか。
3世となると完全アメリカ人のはずです。少しならともかく、ちょっとなまりすぎ…ということでしょう。
ネット上では「ルー大柴(笑)」と書かれていたが…
カヨコ・アン・パタースン(石原さとみ)が日本語で話すとき、ルー大柴のようになります(笑)。
ネット上では「ルー大柴かよwww」とたくさん書かれていましたが、普段英語で会話している人が日本語を使うと、絶対なっちゃうんですよ…。
私なんか純日本人なのに、海外から帰ってくると毎回2週間はルー大柴ですよ。日本語の単語が出てこないからカタカナで言う・カタカナの個所だけ英語発音なんてザラです。ちなみに、私の夫(カナダ人)も超ルー大柴な日本語を話します。
ということで、アメリカ人であるカヨコがルー大柴なのはむしろ自然でしょう!!
日本語下手なふりが上手
カヨコが日本語で話すとき、英語話者がよく噛んだり飛ばしたりしてしまう個所を表現していて、すごいなと思いました。
セリフの細かいところにも全力を注いでいるのはさすがトップクラスの女優さんですね。ちなみに、ネット上では「日本語が上手すぎる」という意見もあるようですが、カヨコはバイリンガルという設定なので、日本語が完璧でも不自然ではありません。
「シン・ゴジラ」の石原さとみに違和感がある理由
「シン・ゴジラ」のカヨコ・アン・パタースンはアメリカ人。そのため、ネイティブと同等レベルで発音できないと、どうしても違和感がでてしまいます。カヨコというキャラクターに現実味がなく、英語シーンの度に作り物感がでてしまう…。日本育ちの女優さんには少し荷が重かったのではないでしょうか。
石原さとみさん本人も、オファーが来た時は外国人役ということを知らなかったと話しています。
「外国人役とは聞いてなかった。台本読んで、どうして私にオファーがきたんだろうって。アメリカの特使で日系3世。そんな人いない、調べても出てこない。庵野さんが何を求めているのかをすごい考えました。」 出典:Neverまとめ「下手じゃない?シン・ゴジラでの石原さとみさんの英語力が議論に」
英語については、かなりのプレッシャーだったのではないでしょうか。自分の英語力がどれくらいか一番わかっているのは本人だろうに。ちょっとかわいそうになってきた…。
「(セリフを)普段の倍速でやってほしいって指示で。じゃないとカットされちゃうってウワサもあった。具体的には映画『ソーシャル・ネットワーク』の主人公の速さでって言われたんですが、見たらめっちゃ速い。速いものをゆっくりするのは可能だから、とにかく練習しました」 出典:Neverまとめ「下手じゃない?シン・ゴジラでの石原さとみさんの英語力が議論に」
もう一つの理由に、「他の俳優陣の英語が上手すぎる」ということも挙げられます。日本語訛りはあるものの、長谷川博己さんや竹野内豊さんの英語は石原さとみさん同様にとても上手。しかし登場する日本人がみんなアメリカ大使並みの英語力!ってちょっと不自然…。
アメリカ人のはずの「カヨコ」との差がなさすぎるため、キャラクターが作り物っぽくなってしまいます。どんなに感情移入して「シン・ゴジラ」を見ていても、石原さとみさんの英語シーンになる度に「映画」であることを突き付けられます。
実際のところ、石原さとみの英語力はどうなの?
ここで理解していただきたいのは、あくまで、石原さとみさんの英語力は生まれも育ちもアメリカであるカヨコに求められる英語力には届いていないということ。
文法や言葉選びは、台本なくリアルで話しているところを見てみないと何とも言えません。しかし発音はかなり上手だと思います。強い日本語訛りはありますが、ネイティブ相手ではほぼ伝わるでしょう。
実際に一緒に「シン・ゴジラ」を見たアメリカ人たちも「ネイティブには程遠いけど、問題なく聞き取れる。一般的な日本人にしてはすごく上手。」と話していました。
そもそも、世界の英語話者のほとんどは非ネイティブです。母国語訛りがあるのは当然のことで、なんらおかしなことではありません。「ネイティブ並みじゃない=下手」という認識は正しくないと思います。
生粋日本人の石原さとみにアメリカ人役はキツイ
石原さとみさんの英語はノン・ネイティブとしてとても上手。早口なのにスムーズで、すごく努力をされたんだなと感心します。
本人も、米政府で働いていた女性を自宅に招いて取材したと語っています。
「日本語のどの文字が苦手なのか、癖も聞いて、助けてもらいました。ただ、癖は強調しすぎると日本語自体が下手なように聞こえちゃうし。微妙に下手っていう、その加減が難しかった」 出典:Neverまとめ「下手じゃない?シン・ゴジラでの石原さとみさんの英語力が議論に」
かなり上手な石原さとみさんの英語も、ネイティブスピーカーの役を張れるかという点では微妙…。文法や語彙はともかく、発音だけはどんなに練習しても、大人になってから勉強したのでは遅すぎるんです…。悲しいことに。
しかし、有名俳優陣に囲まれても引けを取らず、このキツめのキャラを演じられるのは石原さとみさんくらいかも…?(個人的にはバイリンガル女優の忽那汐里さんとかいいと思いましたけど。)
石原さとみさんは英語以外の条件は完ぺきに満たしているので、せめて、「アメリカ生まれだが、すぐ両親の仕事で日本へ。中学までは日本で育った。」とか設定を緩めたほうが、自然だったのかもしれません。
日本映画も海外で見られる時代!
現在、海外の航空会社でも日本の最新映画が見られるようになっていますし、現地のDVD・ブルーレイショップでも日本映画を置いています。さらに、最近ではインターネットで簡単に海外の映画やドラマを見ることができます。
例えば韓国映画やハリウッド映画を見た時、日本人として登場する役者さんが、ガッツリ韓国語訛りで話していると少し残念な気持ちになりませんか?
どんなに有名なキャストが出演していても、知らない人から見ると「安っぽい」「偽物っぽい」という印象となっても仕方がありません。
韓国人俳優を日本人役として起用したり、日本人女優をアメリカ人として登場させるのは全く問題ないと思います。しかしネイティブスピーカーでない人を配役する場合は、母国の人が見ても違和感のないようなキャラクター設定にするべきではないでしょうか。