世界中で新型コロナウイルスが猛威を振るっています。
カナダでも毎日感染者が増えている状況で、ワーキングホリデーや語学留学を予定している人は大変不安な思いをしていることと思います。実際に、カナダ現地の様子を教えてほしいというお問い合わせも増えています。
このページでは、新型コロナウイルスに関するニュースや感染者数の情報と、カナダ現地の様子を掲載します。
ワーホリや留学を予定している方へカナダ現地の情報が伝わり、渡航の判断材料になればと思いこのブログを書きました。
記事内の「カナダの様子」は、私自身の体験とカナダの様々な都市に住む知人に聞いて集めた情報を基にした内容です。地域や生活スタイルによっては意見が異なることがあるかもしれませんが、ご参考までにご覧ください。
尚、感染者数等はカナダ政府が発表しているの数値を記載しています。
- カナダ国内の新型コロナウイルス感染者296,077名(2020/11/17現在)
- 国内死亡者10,953名
- JAL・ANAのバンクーバー便運航中(減便)
- エアカナダ日本行き一部運休
- 地域によっては行動自粛緩和
- すべての入国者から入国時に自己隔離計画を聴取
- カナダ国籍または永住権保持者以外の入国を制限(免除対象あり)
- IEC(ワーホリ)入国時にvalid job offerが必要
タップできる目次
カナダの新型コロナウイルス感染状況
現在のカナダ全国の新型コロナウイルス感染者数は次の通り。数値は1日1回更新します。(最終更新日:2020/11/17)
州・準州 | 確定感染者 | 死亡者 |
---|---|---|
カナダ全体 | 296,077 | 10,953 |
出典:The Public Health Agency of Canada
カナダ国内感染者の州別状況や感染経路など詳しい情報は下記のサイトをご覧ください。
Epidemiological summary of COVID-19 cases in Canadafa-external-link
カナダ入国は可能か。入国制限と運航状況
3月16日に発表された入国制限により、観光ビザ等でのカナダ入国ができなくなりました。
ワーキングホリデーについては、5月8日の発表で「条件により入国可(下記引用参照)」となっています。
なお、引き続き全ての入国者に対して、14日間の自己隔離・モニターを義務付けています。
5月8日、カナダ連邦政府は「IEC(ワーホリ等)参加者でvalid job offerがある場合は入国出来る(入国制限の例外である)」と発表しました。
Effective May 8, 2020, applicants in the Working Holiday, Young Professional or International Co-op categories can come to Canada only if they:
- have a valid job offer, and
- a port of entry letter of introduction
- proof of adequate health coverage
https://www.canada.ca/en/immigration-refugees-citizenship/services/coronavirus-covid19/iec.html
今回のワーホリの入国条件に「カナダ国内で仕事が内定していること」と発表されました。但し、既にカナダに入国し終了許可証を取得しているうえで一時帰国等でカナダを離れている人は「カナダ国内の仕事証明」なしでの再入国が可能となっています。
4月14日,カナダ連邦政府は,入国者の自己隔離の執行を強化す
るため,すべての入国者から入国時に自己隔離計画を聴取すると発 表しました。
この自己隔離計画が不十分又は不適切と判断された場合は,ホテル等,首席公衆衛生官の指定する施設で隔離することが求められます 。
・この措置は4月15日0時より実施。
・症状の有無を問わない。
・65歳以上の高齢者や,基礎疾患のある人と接触する場所での隔離は認められない。
・隔離場所は,食料や必要な医薬品など,基本的な生活必需品が入手できる環境である必要がある。
・隔離場所までの移動過程において,マスク(医療用でないもの)を着用する必要がある。
・カナダ到着時に与えられた指示に従わないものは,最大6か月の懲役及び(又は)75万ドル罰金が課されることがある。
・検疫法または規制を故意に違反し、他者に死または身体的危害を負わせた場合、最高100万ドルの罰金または最高3年の懲役、あ るいはその両方が課されることがある。
https://www.canada.ca/en/public-health/news/2020/04/governme nt-of-canada-updates-mandatory -requirements-for-travellers- entering-canada.html
3月20日、カナダ政府は3月16、18日に発表された新型コロ
ナウイルス対策に伴うカナダへの渡航制限に関する免除対象者を公 表しました。
(免除対象者)
○農業労働者、漁業労働者、介護者、その他すべての有期外国人労働者。
○2020年3月18日に渡航制限が実施された時点で、有効な留学許可証を保持していた、または留学許可証の承認を受けていた留 学生。
○2020年3月16日に渡航制限が発表される前に永住が承認されていたが、まだカナダに渡航していない永住者。
(カナダ政府による公表原文は以下の通り)
anada provides update on exemptions to travel restrictions to protect Canadians and support the economy
カナダ政府によるコロナウイルスの注意喚起レベルは次の通りです。
注意喚起レベル3(不必要な渡航を避ける)
全ての国
エア・カナダの運航状況
UPDATEエア・カナダの日本便で運航しているのは下記の路線です。
エア・カナダ運航状況と予定
- バンクーバー~成田 週4で運航中
- トロント~ 成田 週3で運航中
参考:Route suspensions due to COVID-19
エアカナダの日本行き直行便は現在のところ、バンクーバー~成田間、トロント~成田便で運航中です。
カナダ国内線でも減便対応をしています。カナダ国内を移動する場合でも乗り継ぎが発生している区間があるのでご注意ください。
情報がどんどん変わっていますので、引き続き運行情報に注視していきます。
JAL・ANAの運航状況
JALとANAのカナダ直行便はバンクーバー便が一時運休していましたが、4月以降再開しています。
UPDATEANAは羽田~バンクーバー線にて、週3で運航しています。
UPDATEJALは成田~バンクーバー線にて、週4で運航しています。
詳細は公式サイトでご確認ください。
アメリカを経由する場合
カナダ~日本のルートでは比較的安価なアメリカ経由も人気です。しかし、アメリカの航空会社では新型コロナウイルスによる日本便への影響が出ています。一部地域をつなぐ航路で減便や休航となっています。下記は各航空会社の新型コロナの影響・対策についてのページです。
最終目的地がカナダであっても、アメリカを経由する場合はアメリカへ入国が必要です。そのため、今後アメリカが日本人(日本滞在歴がある者)の入国制限を行うと、カナダへの入国も難しくなる場合があります。
カナダ渡航の際の注意点
現在、カナダ渡航は物理的に可能な状態(ビザによる)ですが、入国後は行動制限などもあるためオススメはしません。それでも渡航する場合は、下記のことに注意しつつ気を付けて来てください。
- 飛行機はカナダ直行便を利用する
- 入国できる滞在条件を確認する
- 海外旅行保険に加入する
- 出発前の体調管理
- カナダ入国後14日間は自己隔離を行う
新型コロナウイルス理由のビザ許可証延長申請について
ワーキングホリデーでカナダ渡航を考えている人へ朗報です。
既に持っているビザ許可証の入国期限が切れる場合は、入国期限を90日延長することができるようになりました。これによって、コロナウイルスによる入国制限でカナダ渡航を見送ったものの入国期限が近付いている人も、しばらくの間はビザ期限を気にせずに様子見をすることができますね。
詳細・申請は下記のフォームからどうぞ。
申請方法は下記のサイトで日本語解説があります。
コロナウイルス理由によるレター期限延長について(マイルストーンカナダ留学センター)fa-external-link
【現地情報】新型コロナウイルスによるカナダ生活への影響
カナダでも新型コロナウイルスについてのニュースが絶えません。WEBニュースやアプリでも未だに「COVID‐19」という見出しが目立ちます。
スーパーマーケットなど、人が集まるエリアではマスクをしている人をよく見かけます。一方で、近所を散歩する人でマスクをしている人は極少数です。
それでは、新型コロナウイルスによる生活への影響を、カナダ現地からお伝えします。
仕事探しに影響するかどうか
カナダでワーキングホリデー予定の人にとって特に心配なことの一つが仕事探しではないでしょうか。
現在ほとんどの地域で外出自粛は解除されており、飲食店でも営業再開しました。しかし、最小限の人員でお店を回しているので雇用数は多くはありません。ただし、飲食サービスに従事していた留学生や外国人の多くが本国へ帰国してしまったことから人員不足が発生している飲食店もたくさんあります。カナダでジョブオファーを得た人の多くは飲食関連のようです。
しかし、新型コロナウイルスの影響により、観光業界の求人数は壊滅的です。求人が少ないどころか、休業・解雇による人員削減が発生している職場も少なくありません。現時点における仕事探しは大変難しいでしょう。
カナダには様々なコミュニティーがありますが、それらも全てお休みしているところが多い様子。例えば政府関連のボランティアや日本語学校も現在は運営を見合わせている場合がほとんど。今後の動向に注意が必要です。
家探しに影響するかどうか
新型コロナウイルスの一件で、多くの留学生が自国へ帰国しました。そのため部屋数が余り、収入が無くなる家主が多いと聞きます。
空き家件数は少なくないものの、アパートの事務所が休業していることもあるので条件によっては難しい可能性があります。
ホームステイで小さい子供がいる家庭では、留学生の受け入れを考え直したいと申し出る場合や、渡航前の体調チェックなどを希望するケースが発生しているそうです。
初めて会う外国人を受け入れる以上、ホストファミリーが不安に思うのは当然のことです。ホームステイを予定している人は仲介エージェントや滞在先とよく話し合ってから決めましょう。
どんな滞在方法にせよ、入国後は14日間の自己隔離が義務付けられています。到着直後の行動が制限されるので、ワーキングホリデー渡航のタイミングとしては良くありません。
差別的な扱いを受ける可能性
SNSで、カナダ以外の海外滞在中に差別的な発言をされた、暴力を受けたという報告を見かけます。実際はどうなのでしょうか。
多国籍国家であるカナダはアジア系移民も多く、直接差別的な扱いを受けたという例はあまり聞きません。実際に差別的行動をする人はごくわずかです。今回、新型コロナウイルスの件で差別的な行動をとっている人は、この件と関係なく以前から差別意識を持っている人だと思います。
そもそも、出身国以外で生活するということはいつでも差別されるリスクがあるということ。コロナと関係なく差別されるときはされます。どんな理由であれ差別的な扱いを受けた時は、毅然と対応することが大切です。
差別というよりも治安の悪化が発生している地域があります。長期間の自己隔離や外出自粛、解雇などストレスになる要素がたくさんあり、それをぶつけてしまうのかもしれません。
品薄や買い占めが起きているか
日本ではマスクやトイレットペーパーの買い占め・転売・品薄事件が発生しましたが、カナダの場合はどうでしょうか。
私が住んでいる地区の食料日用品店では外出自粛が発表された際にトイレットペーパーなどが品薄になりました。不安からくる買占めというより、自己隔離に備えた準備という印象。
そんな品薄状態も現在は解消されています。紙製品や食品など生活必需品に困ることはないでしょう。
食料自給率264%のカナダでは、輸入が難しくなっても大抵のものは自国生産で何とかなります。一時的に店舗で品薄になることがあっても、生産自体は間に合っているのでパニックにならないようにしましょう。無駄な買い占めは不安を煽るだけです。
各地で大型イベントが中止
新型コロナウイルス対策として、屋外・屋内問わずイベントの中止や延期が相次いでいます。室内で行われるアイスホッケー等のスポーツの他、屋外て開催されるパレード等も中止となりました。
動物園や遊園地などのアミューズメント施設は、完全予約制で人数制限を設けて営業しています。入場できても閉鎖中のアトラクションが多いのでがっかりすることがありかもしれません。
ワーキングホリデーや短期留学など滞在期間が限られている方は、カナダの季節イベントを逃すことになる可能性があります。可能なら渡航時期の変更も検討したほうが良いかもしれません。
物価や通貨の価格変動が大きい
新型コロナウイルスが騒動になった2月中旬ごろからカナダドルが急激に値下がりしており、ここ1年で最低レートとなっています。
これからカナダへ行く人は日本円をカナダドルに換える際に得となりますが、カナダ現地でお金を稼いで日本へ持ち帰ろうと考えている人はこのまま帰国時までレートが戻らなければ損になってしまいますね…。
また、新型コロナウイルスの影響かはわかりませんが、このところ物価変動が激しいように感じます。例えばガソリン価格がもの凄い勢いで下落しています。
まとめ:カナダでも落ち着いて判断・生活することが大切
カナダでの新型コロナウイルスの現地の状況をご紹介しました。
記事の内容は私自身の経験とカナダの色々な都市に住む知人に聞いた話をまとめた主観に基づく意見です。そのため、地域や生活によって異なることがあるかもしれません。
特に初めて海外へ行く人は、アジア人差別されて孤立するのではないか、日本に帰れなくなるのではないかと不安な気持ちになっていることと思います。
ワーホリの特性上、外出が出来ないとすることも限られてきます。海外生活の醍醐味である「現地人との交流」「現地の生活体験」が難しいため、渡航のタイミングとしては良くありません。今後の状況を見てからの渡航が良いでしょう。
手洗いうがい、不必要な外出を避ける、他人と物理的に距離をとるなど基本的な対策はしつつも、こんな状況だからこそパニックにならず落ち着いて判断することが大切だと思います。
入国制限やフライト情報について、新しい情報がわかり次第追記していきます。