「中学英語教員のTOEIC平均点が578点だった」というニュースを見て衝撃を受けました。TOEICを受けたことがない人にはピンと来ないかもしれませんが、これは相当低い。
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中学校英語教員がTOEICを受けた結果
ニュースアプリを読んでいると下記のような記事を見つけました。
京都市を除く中学校の英語科教員で、本年度に英語能力試験TOEICを受験した74人のうち、府教委が目標として課した英検準1級に相当する730点以上を獲得したのは16人で、約2割にとどまることを明らかにした。出典:京都新聞
記事の概要
・中学校の英語教員74名が英語能力試験TOEICを受験
・自治体が目標としている730点をクリアしたのは2割
・平均点は578点未満、最低点は280点
平均点500点台は低すぎるし、730点でも微妙。280点は論外
先に意見を述べますが、国内で子供相手とはいえ、英語を教える仕事でお金を稼いでいるのに500点台でいいわけがない。めちゃくちゃな文法と単語で意思表示はできると思うけど…。
730点でも、「文法や単語をきちんと理解している」とは絶対に言えないレベル。生徒からの質問に答えられるのか謎…。
280点は詐欺・・・?生徒が気の毒。中学生以下かも…。
TOEIC点数別の英語レベル
プロフィールの英語遍歴でも暴露しているように、私は社会人になってから英語の勉強を始め、最初250点だったTOEICも1年で900点は取れるようになりました。(詳細はプロフィールを読んで~!)
英語レベルをTOEICだけで測ることはもちろん不可能です。しかし、知識を深めれば深めるほどスコアも比例して伸びるのは事実であり、一つの物差しとしては有効。
TOEIC280、580、730だった頃を思い出しながらの各TOEIC点数の英語レベルを考えてみました。
TOEIC730点:ちょっと英語得意なレベル
今回ニュースになった自治体が目標として掲げているのがTOEIC730点。TOEICの公式ウェブサイトによるとこのレベルの位置づけは下記。
・会議の案内等の社内文書・通達を、読んで理解できる。
・自分の仕事に関連した日常業務のやりかたについての説明を理解できる。
1対1なら対応できる
730点は海外のESL(英語を学ぶ学校)の上級レベルくらいの実力ですね。それでもあくまで英語勉強中の人の中での上級者。ネイティブスピーカーと1対1の会話は時々聞き返しつつ理解できますが、会議やパーティーなど複数人の会話についていくのは難しいと思います。
精通した分野の書籍が読める
元々知識が深い分野の本であれば、すらすら読めると思います。何度か見た映画の原作や、漫画本なら辞書をあまり使うことなく読むことができると思います。時間がかかりますけど。
TOEIC580点:コミュニケーションを取れるギリレベル
中学英語教員の平均点は578点だったそうです。今回テストを受けた教員は74名と多くありませんのであくまで参考レベルですが・・・。
・電車やバス、飛行機の時刻表を見て理解できる。
・打ち解けた状況で、 "How are you?" "Where do you live?" "How do you feel?" といった簡単な質問を理解できる。
ネイティブスピーカーとの会話は難しいことも
仲の良い友人やクラスメイトとはつたない英語でコミュニケーションを取れるレベル。しかし、ネイティブスピーカーとの会話となると、意味が通じないことや聞き取れないこともよくあります。文法も間違えまくっているはず。
レストランやカフェで好きなものを注文することができますが、何度が言い直したり違うものが出てくることも。英語でコミュニケーションを取れるギリギリのレベルではないでしょうか。
子供向けの本や英語学習者向けの本が読める
書店によくある「TOEIC600点向け」という本が読めます。これら本は原作の英単語を簡単な単語に置き換えて書かれています。あと文字も少し大きめ。それでも辞書は必須だと思います。
TOEIC280点:無言になるレベル
英語教員でTOEIC最低点は280点。
マークシート(3~4択から選ぶ)のTOEICで300点以下のスコアは適当にマークしたことを疑うレベル。TOEICの公式ウェブサイトでもこのレベルの位置づけは記載されていませんでした。
私は初めて海外に行ったときは250点。これで突然海外に行ったので大変苦労しました。
日本人以外との会話では終始無言。語学学校でも発言ゼロ。話すときも知っている単語を1つ言うのがやっとで文章は作れない。飲食店ではメニューを指さして”This”というのが精一杯の状態です。
TOEICは難しいテストじゃない
ニュースについているコメントや掲示板を読むと、下記のようなことを言っている人が結構いました。
・中学生にビジネス英語は不要
・TOEICの出題範囲は中学英語と違う
・TOEICはテクニック勝負だから英語力とは関係ない
ビジネス英語ばかりじゃない
TOEICの勉強や受験をしたことがある人ならわかると思いますが、TOEICに出題されている単語や文法は中学生レベルのものもたくさん含まれていますし、ビジネス英語ばかりじゃないですよ。
ビジネスONLYの単語は少なく、普通の会話で使う単語も多くバランスよく構成されています。文法については普通の会話とビジネスでさほど変化するわけもないですし・・・。
数ある英語能力テストの中でもレベルは高くない
英語能力を図る試験は英検、TOFLEやIELTSなど色々ありますが、TOEICの英語はその中でも簡単な方だという人も多い。
現に私もビジネス的な勉強はしておらず、海外の普通の生活で使用する英語を勉強して900点に届いています。勉強大嫌いで250点から勉強を始めて1年間で到達できるレベルですよ・・・。
そんな簡単なテストで、英語を教える教員の点数が500点台というのは低すぎると思いませんか。
得点テクニックがなくても点数はとれる
確かにTOEICは出題傾向や、各パートの時間配分などのテクニックを身に着けると点数は上がります。全く同じ英語力でもTOEIC受験の常連と初受験の人では点数に開きがあるはず。
しかし、それはあくまでプラスαの要素。英語能力の基盤の上にあるものです。
少なくとも私がTOEIC250 →900になったのはテクニックが向上したからではありません…。
教える能力はと英語力は別だけど・・・
指導力、人望や生徒の傾向を知っているかどうかなど、教員には「科目に特化した知識」以外に必要となる要素がたくさんあります。中学校ではむしろこのような能力の方が重要かもしれませんね。
ですので「英語能力が高い=良い教師」「英語能力が低い=悪い教師」とは言えません。
しかしTOEIC600点に満たないのは相当ひどい。「目標」ではなく「最低」でも730点は期待したいところ…。