
結婚後に海外に住むか、日本に住むかは人生で最も大きな分岐点のひとつ。国際結婚をする人が悩むことの一つだと思います。
結婚後日本で2年間生活してみた結果、私たち夫婦はカナダで生活することを選択しました。外国人配偶者と日本で暮らすということのデメリットや実体験をご紹介します。
- 人配偶者と日本に住むのは簡単じゃない
- パートナーが日本語が上手でない場合はさらに大変になる覚悟が必要
- 結婚後に住む国を決める時は、世帯収入・子育て価値観・言語・行政サービスなど総合的な判断すべし
タップできる目次
国際結婚後に生活する国はどっち?
国際結婚をする場合に考えなければならない要素はたくさん。その中でも最も大きなことの一つが日本(自分の母国)で暮らすのか、配偶者の国で暮らすのかという点です。
どちらの国で生活するかによって、今後の生活が大きく変わりますね。一度生活をスタートさせると、住む国を変更するのは簡単なことではありません。結婚前にしっかりと考えておきましょう。
外国人配偶者の出身国で働く場合
自分(日本人)が女性の場合は、オーストラリアやカナダなど、配偶者の出身国で暮らす人が多い印象です。私自身もそうですし、国際結婚している友人(女性)たちを見てもほとんどが海外で生活しています。
私が住んでいるカナダは、外国人でも永住権を取ればカナダ市民とほとんど同等の権利が約束されています。そもそもカナダは多民族から成る国。そのため、見た目の違いはあまり気になりません。
外国人配偶者と日本で暮らす場合
自分(日本人)が男性の場合は、外国人の配偶者と一緒に日本で生活している人が多いと思います。私のいとこ(男性)も中国人と結婚して日本で生活しています。
日本は90%以上が大和民族と言われています。そのため、アジア系以外の人種が日本に住むと嫌でも目立ちます。特に地方都市などあまり外国人を見かけない地域では、「あ、外国人だ!」と身構える人も多いのではないでしょうか。
今回はこの「外国人配偶者と日本で暮らす場合」について深堀していきます。
外国人パートナーと日本で暮らす場合の問題点
それでは、国際結婚後に日本で生活する場合に発生するデメリットを詳しくご紹介します。
仕事が無い・限られる
外国人でも日本の国内企業で勤める人はたくさんいます。英語や中国語を使える人材は重宝されるでしょう。
しかし、それは日本語が堪能であることが前提条件。仕事でつかえるレベルの日本語が話せない場合、仕事を見つけるのは非常に困難です。ネイティブ講師などの職がありますが、最近は日本語を話せるネイティブも多いので倍率が高めです。
特に地方都市に定住する場合は、かなり窓口が狭くなっています。範囲を広げて東京近郊で探す方が良いかもしれません。
差別されることがある
人口のほとんどが日本人で構成されている日本では差別があります。これは、人種に関係なく外国人全てに当てはまります。
例えば、部屋を借りるとき。ほとんどの大家さんは外国人に部屋を貸したがりません。外国人の配偶者名義で賃貸を探すとかなり苦戦するでしょう。中には、自分(日本人)名義であっても外国人が同居することにすらNGというケースも。その他、ローンを組むときなど色々な契約時に不都合が生じます。
子育てや習慣の違い
国によって結婚形態や子育ての考え方が違うことは珍しくありません。日本人同士の夫婦でもよく問題となることですが、国際結婚の場合は本当にびっくりするくらい習慣が異なることも。
日本に住むということは、ある程度は日本のしきたりに合わせてもらうことになるでしょうが、決して無理強いはせずに話し合うことが大切です。
日本に住みながら配偶者の国の生活様式や方針に合わせることも可能ですが、周囲からの風当たりは強くなるので覚悟してください。
帰省費用がかさむ
国際結婚ということは、配偶者が帰省する際は海外旅行並みの旅費がかかることになります。しかし帰省の旅費は結婚生活の必要経費ですから仕方ありません。
出費がかさむことは覚悟して、きちんと資金を管理しておきましょう。間違っても、お金が無いから配偶者の帰国を許さないなんてことの無いように。
実際に外国人夫と日本で暮らしてみた結果
カナダ人&日本人の私たち夫婦は結婚後、まずは日本で生活してみることにしました。うまくやっていけそうならそのまま日本で暮らすのも良いかという思いからです。
私の出身地の広島は地方都市ですが、外国人とわかる外見の人はとても少ない。たまに見かけても観光客です。そんな街で暮らすとなると白人である夫はとても目立ちます。ジロジロ見られることも珍しくありません。
住まいは保証人をつけてなんとか借りることができましたが、ビジネスレベルの日本語が話せない夫は仕事を見つけるのも一苦労です。私がメインで働いて、夫は家事と短時間の英語講師をすることに。非正規でも家計は黒字です。ダブルインカム強し!
しかし、この状態で家族(子供)をもつことはどうしても考えられませんでした。
私たち夫婦の場合は、世帯収入だけでなく行政サポートや差別問題など、カナダで暮らす方が質の高い生活を送ることができることは間違いない。こうして、カナダへ移住するという結論となりました。
日本語が話せない配偶者と日本で生活するときの覚悟
国際結婚して、日本で暮らしている人もいますが、日本語が全く話せない人はかなり少数派だと思います。私の知人で国際結婚している人達は、配偶者も日本語が大変上手です。日本に留学していた・就職しているという人もたくさんいます。
日本語が話せないということは仕事が見つかりにくく、所得が安定しません。
買い物や簡単なコミュニケーションはできても、銀行や保険屋との相談や役場での手続き等はとても難しい。配偶者が風邪をひいても病院に付き添いが必要になります。
私たちの場合も、夫が病院や役場行くときは私が有給休暇かフレックスタイムをとって手続きに同行していました。いつも柔軟な対応をしてくれる職場ですが、さすがに出張やイベント時はそう簡単に休めない。その場合は実家の父に夫の付き添いを頼んでいました。
日本語が堪能でない配偶者と日本で生活する場合は、休み返上でサポートするくらいの覚悟が必要かもしれません。
どちらの国で暮らすかを決めるための要素まとめ
上手くいく国際結婚のために必須な滞在国選び。両親や友達が近くにいる・慣れた土地を離れたくないという理由から外国人の恋人と結婚しても日本で生活したいと願う人も多い。
今後の生活を左右する滞在国は、しっかり考えてから選びたいですね!日本とカナダ、結婚後に両方住んでみて気が付いた「どちらの国で暮らすかを決定する要素」はこちらです。
- 世帯収入
- 自分の英語(相手の母語)レベル
- 配偶者の日本語レベル
- 子育てのしやすさ
- 仕事のしやすさ
- 両親のサポート力
- 行政サービス
- 宗教の有無
- 差別の有無
- 気候条件
私たち夫婦の場合は世帯収入を一番重視しました。給与の他に、保険・年金・各種手当や投資などの条件が良く、日本で生活するよりも金銭的に余裕があるからです。
言語のレベルは個人の頑張り次第で数年後は違う状況になっているかもしれません。しかし、子育て条件や行政サービスは個人の努力ではどうにもなりません。そのため世帯収入に差がない場合は、その国の習慣や考え方を重視するのが良さそうです。