ワーホリや語学留学で日本人とつるみすぎたために、英語が全く出来ないまま帰国していく日本人は数知れません。しかし、だからといって完全に避けることが本当に良いことなのでしょうか。
日本人を避けることによって得られるメリットはたくさんあるのは事実ですが、同時に日本人と一緒にいることで得られるメリットも決して少なくはありません。
かつて日本人を避けて(というか自然とそうなった)海外生活をしていた私は、2年…3年と滞在を延長するにつれて徐々に日本人とも付き合うようになりました。そこから見えてきた「海外生活で日本人とつるむべきか?避けるべきか?」についての考えをご紹介します。
- 人気都市の日本人率
- ワーホリで日本人とつるむメリット&デメリット
- ワーホリで日本人を避けるメリット&デメリット
- 自分にとって最良な日本人との関わり方
- 海外で日本人と関わる場合のアドバイス
タップできる目次
日本人を避けたい!ワーホリは低日本人率の地域に行きたがる
ワーキングホリデーで滞在都市を選ぶ際、日本人が多いところと少ないところのどちらが良いのでしょうか?
留学・ワーホリ情報誌でも必ずと言っていいほど都市の日本人率を掲載しています。そして数値が低いほどお勧めしています。下記の表はカナダとオーストラリアでのワーキングホリデー人気都市の日本人率です。
日本人の数 | 日本人率 | |
バンクーバー(カナダ) | 2万8000人 | 1.1% |
トロント(カナダ) | 1万3000人 | 0.5% |
1シドニー(オーストラリア) | 3万1000人 | 0.6% |
ゴールドコースト(オーストラリア) | 1万人 | 1.7% |
ケアンズ(オーストラリア) | 3500人 | 2.3% |
出典:カナダ留学コンパス
ワーホリ人気都市の日本人率は1%前後が多いようですね。街全体でみると100人に1人程度ですが、1日ダウンタウンで過ごせば必ず日本語が聞こえてきます。さらに語学学校やワーホリの人に人気がある職場では日本語率は一気に倍増します。
そのため、上記のような日本人に人気の都市でワーキングホリデーや語学留学をする場合、日本人との出会いを完全に避けることは不可能といえるでしょう。
日本人を避ける海外生活をするメリット・デメリット
私はカナダ到着後半年間、日本人の友達はいませんでした。わざわざ避けていたわけではないのですが、最初の日本人の友人ができるまでかなり時間を要しました。
理由として、通っていた語学学校に日本人がいなかったこと、ホームステイ先のゲイの子と気が合い毎日一緒にいたので他に友達を作るチャンスを逃していたこと、勉強とジム通いで忙しくイベント等に全く参加していなかったことがあげられます。
日本人を避ける海外生活の特徴
- 英語力が上達しやすい
- 後悔しない海外体験ができる
- 日本語のコミュニケーションが下手になる
- 日本人に嫌がられる
メリット① 英語力UPしやすい
日本語をシャットアウトして完全に英語漬けにしたほうが間違いなく英語力は向上します。英語を話せるようにならなければ生活困難に陥るので、追い詰められて勉強するしかありません。
私自身、TOEIC250点レベルでカナダへ渡航しました。たった4か月の海外生活で一気に600点、そのあと半年以内に900点になったのは完全英語環境だったということが大きな要因です。
また、日本語ペラペラのカナダ人の友人がいるのですが、彼女にどうして日本語がそんなに上手なのか尋ねたところ、過去に青森県へ6か月間留学していたとのこと。滞在地は田舎なので英語を話せる人はほぼゼロ。短期滞在にも関わらず上達できたのは英語をシャットアウトして完全日本語環境だったことが理由だそうです。
メリット② 後悔しない海外体験ができる
ワーホリで滞在できるのはたったの1年。「日本人とつるむとせっかくの海外生活が台無し。避けたほうがいいよ」というアドバイスを受けたことがある人も多いのではないでしょうか。
私も海外を100%体験したいなら完全英語環境にするべきということに賛成です。日本人に囲まれていると修学旅行のようになってしまい、本当の海外生活体験ではなくなるかもしれません。
正直、日本人の友達を作りすぎて後悔しているワーホリの人は本当に多い。滞在中は楽しくてすっかり忘れていて、帰国間近になって「もっと英語を使いたかった」と思っても後の祭りです。
デメリット① 日本語でのコミュニケーションが下手になる
日本人の友達がいない・日本語を使わない期間が長くなると、いざ日本人と対面したときに日本語で何を話していいかわからなくなります。
緊張してカタコトになったり、面白い話題が思いつかなかったり、いわゆるコミュ障です。
日本人である以上、完全に日本語を忘れることはありませんが、長い間使っていないと表現力が衰えてくるのを感じます。慣れていることでもやはり練習は大切ですね。
デメリット② 日本人に嫌がられる
日本人を露骨に避けたら日本人に嫌われやすいです。誰だって避けられていい気分はしませんし、あまりいい印象を持たれない事は仕方ないのかもしれません。
海外でワーホリ・留学等をしている日本人が、現地で会った日本人を避ける傾向がありますが、これは正直「醜い」です。
「英語力を上げるために」とか「英語が話せないと思われたくない」等理由があるようですが、正直「人種差別」ですよね。誰とでも仲良くなって視野を広げた方が確実に楽しいです🤔— えもじ@初心者の視点を変える英会話 (@RYU24135000) 2019年6月17日
これは私の体験談ですが…日本人の友人が全くいないまま別の語学学校に通い始めると、今度は日本人ばかり。しかもみんな仲良さそうで楽しげ!カナダに滞在して半年もたつのに、かなり出遅れた感じがありました。クラスの子に英語で話しかけてみても話が全く弾まない!
英語ばかり使っていて日本語コミュ障になりかけていた、滞在期間が長くて街のことに詳しいわりに親しい友達がいない私は、日本人から「変な人」と思われていたように感じます。(強ち、間違っていない)
ワーホリで日本人とつるむ生活をするメリット・デメリット
英語力もそれなりにあがり、海外生活も後半に差し掛かると今度は日本人の友達が欲しくなってきました。仕事や移民情報を得るため留学エージェントのイベントに参加するようになってから日本人の友達がどんどん増えていきました。
やっぱり日本人の友達はいいですね!すごく楽しい!…というわけで、ワーホリで日本人とつるむメリット・デメリットをご紹介します。
日本人とつるむ海外生活の特徴
- 日本人ネットワークで情報収取できる
- 現地で困ったときに相談しやすい
- 人脈づくりができる
- 英語が上達しにくい
- 人間関係の問題が発生しやすい
メリット① 日本人ネットワークで情報収集できる
日本人と関わることの最大のメリットは情報収集しやすいことでしょう。海外では仕事探しや家探しの時に、口コミや紹介に頼る場面が多々あります。
日本人ネットワークがあると、日本人にとって住みやすい場所や働きやすい職場の他、口に合うレストランや外国人交流イベントなどの情報が入ってくるので、慣れない街に住む場合は大きなメリットになります。
メリット② 現地で困ったときに相談しやすい
慣れない海外生活の辛さを一番理解してくれるのは同じ境遇の日本人。海外で困ったときも日本人目線のアドバイスがとても役に立ちます。特に初めて海外に行く人にとっては心強い味方ですね。
日本人ならではの愚痴や相談も理解してくれるので、移民しすっかり英語生活に慣れた今でも、やはり日本人と一緒にいる時が自然で楽しいです。
メリット③ 人脈づくりができる
日本では絶対に知り合っていないだろう人に出会えることがあります。
海外で友達と遊ぶとき、「友達の知り合い」が一緒に来ることも珍しくありません。友達の同僚の恋人の友達など、「もはや誰?」という人が混ざることも。パーティーも多い海外では、初対面の人にどんどん話しかけるのが普通ですし、こうして人脈づくりをします。
海外で出会った日本人は、帰国後も付き合いが続く場合があります。日本国内にいたら絶対知り合ってなかっただろう職業の友人が全国にできます。滞在先で外国人と知り合っても帰国後は疎遠になりがち。ワーホリが終わっても日本人となら会いやすいです。
私自身、日本全国に友達がいますが多くはワーキングホリデー中にカナダで知り合った人たちです。色々な地域の友達と久しぶりに会うことは旅行の楽しみの一つになっています。
デメリット① 英語が上達しない
語学留学やワーキングホリデーで日本人ばかりと一緒にいると、英語が上達しません。日本人同士でも英語で会話してくれる人なら良いのですが、そういう人は少数派。最初は英語で会話しようとしていても、一度日本語を始めてしまうとその楽さからずっと日本語で話すことになります。
実際に、日本人の友達ばかり作って英語が全く上達しなかった人を多く知っています。特に、英語初心者の人や、楽な方に行ってしまいそうな人は要注意です。
デメリット② 人間関係の問題が発生する
日本人独特(?)の人間関係の問題が発生することがあります。
日本人グループと一旦仲良くなってしまうと、グループを抜けにくくなるのが日本人です。さらに、そのグループの中で恋愛関係のイザコザが勃発する場合もあります。こうなったらもう大変!
実際にワーホリでカナダへ来ていた友人は、語学学校で知り合った日本人だけのグループを抜けたがっていました。しかし毎日当たり前に集まるような仲になり、抜けるタイミングを失ってしまったそうです。グループ内で男女関係があるメンバーがいたことも抜けたい理由でした。結局、グループを抜けて人間関係をリセットするために別の都市へ引っ越して行きました。
目的別!海外で日本人との関わり方
ワーホリと言っても英語を勉強したい人、海外生活を満喫したい人、つかの間の休息を味わいたい人など目的は人それぞれです。
短期滞在だからこそ100%海外を感じたい人
日本人の友達を作らない…というより、思い切って日本人が全くいない地域へ行ってみるのはいかがでしょうか!?ワーホリに人気があるバンクーバーやトロントに行って、「日本人となるべく関わりたくない」というのは無理があります。本気で避けたいなら街ごと避けてみましょう!
例えばカナダだと、マニトバ州なんかいいと思います。まず、アジア系の人数がものすごく少ないです。日本人のワーホリの人には一度も会ったことないですね。
英語力大幅アップを狙いたい人
本気で英語力UPしたいなら、日本人というより日本語を避ける事が大切です。
日本人でも英語で会話をしてくれる人はたくさんいます。そういう人たちと一緒にいたら、英語の練習にもなるし楽しいのでお勧めです。海外でも英語を使おうというモチベーションの高い人は、現地の人や他国の留学生と知り合いだったりするので紹介してもらえるかもしれません♪
ただし、日本語を避けるということは日本語のネットもSNSも禁止だということを忘れてはいけません。自称「日本人避けている人」がTwitterに没頭しているのを見ると矛盾を感じます。
帰国後のことを視野に入れている人
ワーホリ後の帰国が確定している人は、海外でも日本人の友達を作っておいた方が良いです!
慣れない海外生活を一緒に過ごしてきた友達は帰国後も何かと話が合う!海外や英語という同じ趣味があるだけで盛り上がります。日本全国に知り合いができるのも楽しいです。
海外経験者は英語関連の職に就く人も多く、将来的に仕事関係でお世話になることがあるかもしれません。もちろん日本人の友達に甘えず英語上達に力を入れるべきですが、日本人と仲良くしておくメリットも大きい。日本人コミュニティーの情報網はワーホリ中だけでなく帰国後に役立つこともあります。
楽しくワーホリをしたい人
英語は趣味みたいなものだから上達すればラッキー。今はとにかく楽しくワーキングホリデーをしたい!という人は、日本人と遊びまくるのが良いでしょう。
英語力に関係なく、やはり日本人は日本人と一緒にいる時が一番楽しいです。現地の人や外国人と遊ぶのもたまになら良いのですが、慣れない文化の違いから疲れることもしばしば…。
日本人ならではの人間関係問題に巻き込まれさえしなければ楽しい海外生活がおくれます。
後悔しないワーホリのために!日本人との付き合い方3か条
日本人とどんな付き合い方をするかで大きく変化する海外生活。
ワーキングホリデー1年間という短い期間を有意義に、ヘルシーに過ごすために頭の隅に置いておきたい3か条です。
意志の弱い人は日本人グループに注意すること
日本人の友達がいても自分自身の活動や勉強に支障をきたさない強い人は大丈夫なのですが、英語ができないのに意志が弱い人はあっという間に日本人グループに入り浸ってしまいます。グループに入った後も、意志が弱いので楽な生活を変えることができずズルズル・・・・。
英語初心者で意志が弱い自覚があるひとは、楽しそうな日本人がたくさんいても惑わされないように対策を練っておくほうがよさそうです。そもそも日本人が少ない都市を選ぶという方法もあります。
付き合い方を早めに決めること
日本人と対面したとき、最初から日本語で話してしまうと途中から英語で会話にするのは至難の業です。日本人相手でも英語を使いたい場合は、初めから英語で会話をしましょう。
最近まで日本語使いまくっていたのに、急に英語だけになると周りも戸惑います。場合によっては人間関係を続けるのが難しくなることも。海外到着の段階から、日本語を使うのか使わないのかをはっきりしといたほうが絶対いい!モチベーションアップにもつながります。
自分の立ち位置やワーホリへの姿勢をしっかり決めておくと、気が付けば周りには同じ考え方の人が集まっているから不思議。目的や行動基準が同じ人と一緒にいるのは居心地が良いです。
避けられても気にしないこと
ワーホリには1年という期限があります。せっかく海外で生活するなら日本人とはなるべく関わらずに生活したいという人も少なくありません。
もし、あからさまに日本人を避ける人と出会っても気にしてはいけません。その人は自分とは異なる考え方だったというだけでどちらが正しいとかではないのです
日本人とつるむ・避けるどちらにもメリット・デメリットが存在します。どんな海外生活にしたいかは人それぞれ。考え方が違う人に会ったとしても「おまえもそっち側の人間か…。」と思うくらいにしてそっとしておきましょう。