カナダの名産アイスワインは、1度は試してみたい超高級な超甘口ワインです。
一口飲むとワインの概念が覆される感じがします!アイスワイン誕生の歴史や価格相場、希少価値が高い理由などカナダ産アイスワインについて詳しく説明しています。
カナダのおすすめアイスワイン「王道の白」と、「希少な赤」をそれぞれご紹介します。
- アイスワインの産地や誕生の背景
- デザートワインとアイスワインの違い
- カナダ産アイスワインの相場
- おすすめのカナダ産アイスワイン
- アイスワインの楽しみ方
タップできる目次
アイスワインとは
甘口ワインの代表格のアイスワインは、氷結した葡萄で作られるワインのこと。
甘さではワインの中で群を抜き、一口飲むと驚くほどの甘さと香りが口いっぱいに広がります。ワインであってワインではないような特別な味わいのアイスワインは、カナダの名産として世界中で愛されています。
偶然の賜物!アイスワイン誕生の背景
初めてアイスワインが誕生したのはドイツ・フランケン地方。
その年、予想以上の猛烈な寒波が葡萄畑を襲いました。ほとんどの葡萄が凍ってしまい、悲惨な状態になってしまいました。
その年のワイン造りは難しいかと思われましたが、どうしても諦めきれなかったワインの生産者たちは氷結した葡萄でワインを作ることを決めます。そして出来上がってみると、一般的なワインよりも甘く美味しいワインが仕上がったのです!
この偶然の出来事を発端に、アイスワインの製造が開始されました。
アイスワインとデザートワインの違い
ワイン人気から、最近日本国内でもアイスワインを見かけることが多くなりました。
ちなみに、「アイスワイン」という名称は国際登録商標。オーストリア、ドイツ、カナダの3カ国で生産されたものにだけ使うことができます。それ以外の国で同じ製法で造られたものは、アイスワインではなく「デザートワイン」という名称になります。
カナダ産アイスワインの価格
カナダといえばアイスワインですが、軽い気持ちでお土産に買って帰ろうとするとその価格に驚きます。
カナダではアイスワインは小さいワインボトルで販売されています。ボトルのサイズは200mlが多く、大きくてもハーフボトルサイズの375ml。一般のフルボトル750mlに対してアイスワインは1/2~1/3以下と小さいです。
200mlだと牛乳パック1個分です。そのためボトルで買っても実際には2杯しか量しかありません。5人以上で分けると味見だけになってしまいますね。
アイスワインの相場
一般的なワインなら安いものなら1000円以下で買うことができますが、アイスワインだとそうはいきません。本物のアイスワインを日本で購入する場合、少なくとも5000円以上と考えておきましょう。
アイスワインの本場カナダの空港ではワゴンに乗った安いアイスワインが1本30ドル(約2500円)程度で売られています。それでも普通のワインと比べると高いですね・・・!
アイスワインが高級品となる理由3つ
理由①抽出できる量が普通のワインの1/10
アイスワインは氷結した葡萄から作ります。氷点の違いから水分が凍っても果糖エキスは凍らないという仕組みを利用して、あの恐るべき甘さのアイスワインが出来上がります。
凍ったブドウ一房から採れる果汁はわずかスプーン1杯程度。普通のワインと比べると約10倍の葡萄が必要ということになります。
理由②アイスワインを作るための自然条件が厳しい
アイスワインを作るためには、マイナス8℃以下で葡萄を自然に氷結させることができる土地が絶対条件。また、食べ物が少なくなる時期まで栽培する必要があり、甘味をたっぷり含んだ葡萄は野生動物や鳥からも狙われています。
気象などのコントロールが難しい厳しい条件が必要になるため、大量生産が難しく希少価値も高くなります。
気温や土壌など様々な条件を満たす場所でないと作ることができないアイスワインは、カナダの大自然が生み出す宝物ですね!
理由③アイスワイン用ブドウの収穫作業が過酷
一般的な葡萄の収穫時期は9月から10月ですが、アイスワイン用の葡萄の収穫時期は12月から2月頃と一段と寒さが厳しい時期ですね。
タイミングが来たら、夜間から早朝にかけて凍った状態の葡萄を一気に収穫します。その年初めて葡萄が氷結した日に、収穫~絞り作業まで一気に行わなければアイスワインは誕生しません。収穫タイミングを決して逃さないように必死です。
マイナス8~15℃という極寒の中、全て手作業で一つ一つ葡萄を摘み取る作業は大変そのもの。アイスワイン1本にたくさんの生産者の努力が詰まっています。
アイスワインは白が王道で赤が希少
皆さんは赤ワインと白ワインどちらがお好きですか?
通常の赤ワインは果皮を一緒に抽出することで赤ワインになります。
しかし、アイスワインでそれをしてしまうと果皮独特の渋みが混ざりアイスワイン本来の甘さが出しにくいのです。そのため、赤いアイスワインの製造は困難を極めます。
近年では赤アイスワインの研究も進む
近年、赤ワイン用品種で代表的なピノノワールやカベルネを使ったアイスワインなど、赤いアイスワインへチャレンジするワイン農家も増えてきています。ちなみにカナダでは8つのワイナリーで赤アイスワインの製造・販売にこぎつけています。
しかし中には、その繊細さゆえに赤ワインの特徴を何ら引き出せていない製品もあります。
赤いアイスワインを実際に飲んでみた
アイスワインは白が至高ですが、赤ワイン大好きで諦めきれず赤いアイスワインを試してみました。
感想は…。
赤ワインの渋みとアイスワインの甘さを上手にマッチさせるのは大変なことのようです。思いっきり甘いのがアイスワインの良い所だと思っているのですが、赤ワインの渋みが混ざりどっち付かずでした。赤いアイスワインは綺麗ですが、味は純粋な白がいいです!
それでも赤ワイン好きのために、日本で手に入る赤いアイスワインをご紹介します!ぜひ一度試してほしいです。
シェア40%に上るカナダのアイスワイン
世界中に流通するアイスワインのうち約40%は、広大な国土とアイスワインに適した気候を活かしたカナダで生産されています。
カナダのVQA(Vintners Quality Alliance、ブドウ醸造業者資格同盟)では、アイスワインの製造について細かい規定を設けています。規定を満たしたワインにはVQAのラベルが貼られているので、購入の時に確認してみて下さい。
おすすめのカナダ産アイスワイン
おすすめ白fa-heartノーザン・アイス ヴィダル アイスワイン
ヴィダルはアイスワイン用ブドウな中で最も人気な品種です。ぶどうそのものの透明感ある味わいが楽しめる一品。モンドセレクション 金賞も獲得している優秀なカナダ産アイスワインです。
ザ・王道なカナディアンアイスワインならこれを選べば間違いありません♪
おすすめ赤fa-heartヴィタ カベルネ・ソーヴィニヨン アイスワイン
こちらはカベルネソーヴィニヨンを使った、希少な赤のアイスワインです。ガーネットのような透き通る赤色が綺麗ですね!果実感がしっかりする赤いアイスワインを試したい人にお勧め♪
もちろんカナダ政府による品質保証VQA製品です。
日本で販売している“アイスワイン”に注意!
しかし、日本国内でアイスワインを定義する法律が存在しないため、天然で凍った葡萄で作ったワインも、人為的に凍らせた葡萄で作ったワインも、さらに他のフルーツを使用したフルーツワインの場合でも「アイスワイン」として販売されていることがあります。
味に違いがあるかは置いといて、本物のアイスワインが欲しい人は、ドイツ・カナダ・オーストラリア産のどれかを探してみてくださいね。
アイスワインの楽しみ方
アイスワインは決して安いものではありません。貴重な1本を無駄にしないためにも、栓を開ける前に飲み方をしっかり確認しておきたいですね!
それでは実際にアイスワインの飲み方や色々な楽しみ方をご紹介します。
アイスワインの飲み方と適温
アイスワインは、白ワインより低い3~8℃が適温と言われています。冷やしすぎると香りが立たなくなるので気を付けましょう。
普通のワインのようにグラスに並々と注ぐのではなく、小さいグラスに少しだけ注ぐ方が高級アイスワインらしく美味しくいただけます。グラスは常温の物を使いましょう。
普通のワインの糖度は0~2度程度でガブガブ飲めますが、アイスワインは糖度12~15度と通常のワインの10倍の甘さです。ちびちび飲む方が繊細な甘さを楽しむことができますよ。
カナダ産アイスワインの色々な楽しみ方
濃厚な甘みのあるアイスワインは塩分強めのブルーチーズやソーセージと良く合います。カナダでは、チーズカーズという脂肪分多めのチーズと合わせるのも人気ですよ。
デザートにぴったり
アイスワインはデザートワインの1種。物凄く甘いので食前酒ならともかく、食事中はあまり合わないかもしれません。しかし、その名のとおり、食後のデザートとしてはぴったりです。
もちろんそのままでも美味しいのですが、個人的には甘すぎないNYチーズケーキやバニラアイスクリームに合わせる飲み方が気に入っています。
ボトルを飾ってみる
アイスワインのボトルは普通のワインよりも細く小さくとても可愛い。ラベルも色んなものがあるので、中に砂や花を入れて飾るととてもおしゃれです。人気のハーバリウムにもちょうどいいサイズ♪
カナダの国旗やカエデのマークが書かれたラベルもあり、カナダのお土産らしくて素敵ですよ。
アイスワインは種類豊富で毎回どれにするか迷います。どれを選んだらいいかわからない人はラベルやボトルが可愛いものを選ぶのもアリですね。