ファミリークラスで移民後に、スポンサーであるパートナー(恋人)と別れた場合、カナダの永住権にどのような影響があるのでしょうか。
詳細な説明の前に、重要なポイント3つを記載しておきます。
- カナダ永住権の取り消しは無い
- カナダ永住権の更新は通常通り可能
- スポンサーによる最大3年間の扶養義務は継続
それでは、各項目について詳しくご紹介していきます。
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別れても永住権の取り消しは無い
移民が完了していれば、スポンサーであるパートナーと別れても永住権を没収されることはありません。永住権の乱用など違法行為がなければ、次の更新までの5年間は滞在可能。もちろん出入国も自由です。
別れたとしても、移民であることは変わりありません。
ちなみに、以前はファミリークラスの移民は2年間必ずパートナーと一緒に生活しなければならないという決まりがありましたが、現在は撤廃されています。
永住権更新の条件
パートナーと別れてしまった場合でも、通常の更新条件を満たしていれば永住権の更新は可能です。
- カナダの永住権保有者
- カナダに在住している
- すでに5年以上カナダに滞在している場合は、過去5年のうち730日以上をカナダで過ごしていること
- カナダ滞在が5年以下の場合は、カナダに730日以上滞在することが可能であることを示すこと
この730日という日数は、継続してではとなく、合計で計算されます。一時帰国や海外旅行を繰り返していても、合計日数が730日以上なら更新の条件を満たします。
別れた後もスポンサーに残る、最大3年のサポートの義務
スポンサーであるパートナー側には、移民のサポート義務が残ります。パートナーが移民してから最大3年間は、たとえ別れたとしても金銭的にサポートしなければならないという約束事です。
例えば移民1年後に別れた場合、スポンサー側は残り2年間の生活費を保障しなくてはなりません。生活費には、食費・衣類・住居・光熱費の他、医療費などが含まれます。
別れた後の生活に困るのに、元パートナーが生活費を払ってくれない。そんなときはソーシャルアシスタンスを通じて、間接的にサポートを受けることができます。
別れた後の金銭的サポートについて
カナダ・オンタリオ州の移民のサポートを行っているOntario Worksに、実際に問い合わせて確認できた申請条件はこちらです。
- カナダ在住者
- 無収入または低収入
- 貯金が無い
さらに、突っ込んでいくつか質問をしてみました。住んでいる州や、個人の状況により対応が異なることもありますが、ご参考まで。
コモンローで永住権取得後に別れた人が語る不安
ファミリークラスでカナダに移民した後に、パートナーと別れてしまう人は少なくありません。
ファミリークラスで移民する場合、最初は金銭的にパートナーに頼ることになります。特に移民申請中はカナダで働けるビザが無いので、自立するのは難しいということがリスクとして挙げられます。
尚、ファミリークラス移民であれば、正式に結婚をしていても同様のことが言えます。ただし、コモンローの場合は財産分与や扶養義務の観点から、別れた時の金銭的リスクはやや高いでしょう。
実際に、コモンローで永住権取得後に恋人と別れたいう人達が共通して口にするのは、別れた後の生活の不安です。
カナダには色々な移民プログラムがありますが、ファミリークラス移民はパートナーと別れたときのリスクが最も高い移民方法と言えるかもしれません。
まとめ:パートナーと別れても永住権に影響はない
ファミリークラスでカナダに移民後、スポンサーであるパートナーと別れることになっても、永住権に影響はありません。
永住権取り消しもなければ、5年後の更新も通常通り可能です。そのため、普段から自立した生活をしている人なら、別れること自体にデメリットは無いでしょう。
しかし、永住権を取得したばかりの人や、カナダに移住したばかりの場合は、どうしてもスポンサーであるパートナーに頼ることになりがち。
そして、日本国内だとしても突然一人になると不安なのに、頼れる人が少ない海外であればなおさらです。
カナダにファミリークラスでの永住権取得を狙っている人は、日本滞在中やワーホリ中、そして学生の間にスキルや経験を積んでおくとより安心かもしれませんね。