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荷物が多くなる赤ちゃん連れの外出ではベビーカーがとても便利!…のはずが日本ではそうでもありません。設備などのハード面でベビーカー外出がいかに不便かを考えます。

日本ではベビーカーでの外出が超不便

カナダでは街中どこでもベビーカーを見ます。一方、日本では街でベビーカーを見る頻度がぐんと下がります。その代わり、カナダではほとんど見かけない抱っこ紐を見る機会が増えます。

10キロ近くを担いであちこち移動するのは本当に大変。それにもかかわらず、抱っこ紐を多用する。その理由は簡単。ベビーカーでの外出が日本ではものすごく不便だからです。

実際に私もカナダでは毎日ベビーカーを利用していました。しかし、日本に来てみるとベビーカー利用にうんざり。抱っこ紐を購入することになりました。

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自動ドアが少ない

百貨店やファミリーレストランのドアは手動でしかも二重扉(それにクソ重い)のものが多い。最初の扉を開けてベビーカーを通過させたけどすぐ先にある2枚目の扉を開けられずに身動きが取れなくなる…ということになりかねません。

自動ドアを探して建物を一周しても、結局全部手動(しかも二重)なことさえあります。個人経営の小さな店や赤ちゃんが行かない居酒屋ならまだわかりますが、百貨店や大型家電量販店、ファミレスでこれはちょっと…

一方、カナダでは大きな建物はほぼ間違いなく自動ドア。もともと手動のドアな古い建物でさえ、後付けの自動ボタンがついています。

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無意味な段差が多い

ベビーカーで外出すると、とにかく段差の多さに驚きます。ベビーカーでも足でひょいとすればOKな低い段差ではなく、迂回しないといけないレベルの段差があちこちにあります。

そして、3.4段という無意味な段差も目立ちます(地下道や駅など)。3段のためだけにエレベーターを探さないといけなくなると本当にイライラします。それくらいの高低差なら坂道にすればいいのに、なぜ段差??ものすごく不思議。

それでもエレベーターがあるだけマシ。階段のみでエレベーターがないところも少なくありません。地下道に入ったのはいいけど目的の出口にエレベーターがなくて困る場面に出くわします。

公共交通機関のバリアフリーが中途半端

私の地元、広島では「ワンステップバス」をよく見かけます。これだけ書くとバリアフリー!という感じがしますが、よく見てください。

ワンステップなんです!ノンステップではなく、一段あるんです!あの大きな一段があることで、ベビーカーでの乗降はほぼ不可能。畳んだとしても赤ちゃん・荷物・ベビーカーを抱えての狭い段差は危険。なぜノンステップではなくワンステップなのか…。しかも、実際には地面から乗るので2ステップになる。

ついでに言うと、車体側面に堂々と「ワンステップ」と書いてあるところも気に入らない。「ワンステップだよ☆乗り降りしやすいよ☆バリアフリー化☆」と言いたげだけど、ワンステップある時点で全然バリアフリーでもなんでもない。

さらに車いす用のスロープが手動であること。運転手が降りて設置しなくてはいけません。シートベルトを外す、車外へ出る、スロープ設置、車いす固定、運転席へ戻る、シートベルトしめる、スロープが必要な人が乗ってくるたびに運転手は一人でこれをしないといけません。

カナダのバスは全てノンステップ。さらに運転手がボタンを押すとスロープが自動で降りてくるので、地面からの段差も問題ありません。もちろん自動で戻ります。

車いすだけでなく、ベビーカーでの乗降の際もスロープを出してくれるのでとても便利。乗る側からしても、わざわざ手動でしてもらわなくてよいので気が楽です。

空港でベビーカーが利用できない

個人的意見ですが、頻繁に空港を利用する身からすると一番許せない・・・!

日本の航空会社では、チェックインカウンターでベビーカーも必ず預けないといけないのです。そのためチェックイン後はベビーカー無しでの移動が必須。早めにチェックインしてしまうとベビーカーも早くに取り上げられるうえ、セキュリティーゲートから搭乗口まで結構な距離がある。

航空会社や空港専用のベビーカーを借りることもできるけれど、数に限りがあるため必ず利用できるとは限りません。そもそも利用は国内の空港だけ。国際線で到着した先ではベビーカー無しで入国手続きや乗り継ぎをしないといけません。

一方カナダやアメリカの空港では、搭乗ゲート(飛行機のドアの目の前)まで自分のベビーカーを利用できます。そして到着先でも飛行機の入り口に準備してあるので、到着後すぐから利用可能です。

さらに腹立たしいのは、「専用ベビーカーが用意してあるなんてすばらしい!さすが日本☆」みたいな意見が多いこと多いこと。自分のベビーカーを利用できるほうがずっと気が利いていて便利です。

ベビーカーが入れるトイレが少ない

日本のトイレは綺麗で快適。しかし赤ちゃんと一緒に外出すると、トイレを探すのがものすごく大変になります。

多くの場所ではベビーカーも一緒に入れる広い個室がありません。赤ちゃんを座らせる椅子がついた個室は多いのに、ベビーカー可となると激減。大き目の個室でも、扉が個室の内側に開くのでベビーカーを中に入れると扉が閉まらないということも少なくありません。赤ちゃんを一人外で待たせるわけにいかないし、本当に困ります。

赤ちゃんと一緒に利用することの多い駅やスーパーでは各トイレに一つはベビーカーと一緒に入れる個室を作ってほしいです。

ちなみに北米ではトイレに一つか二つは車いすやベビーカーも入れる大きな個室がついています。さらに扉も外開きなので、とても便利です。

ハード面が整わないからソフト面でカバーするしかない

ハード面で整っていない部分が多いと、自然とソフト面でカバーするしかなくなります。たとえば、ドアは開けてもらう・段差は手伝ってもらう・荷物を持ってもらう・スロープを手動で設置してもらうなどです。

それなのに、日本では周囲の人に手伝いを期待するのが良くない風潮があります。手伝ってもらえるととても嬉しいですが、「申し訳ありません…」と悪いことをしている気持になります。

日本では、何か助けられたときに「ありがとう」ではなく「すみません…」と言う人が多いのも、手伝ってもらう=迷惑をかけているという認識から来ているのだと思います。

ベビーカー用の設備が整わない理由…

自動ドアにしても、段差をなくしたとしても、空港でベビーカー利用が可能になったとしても誰も損をしない。バスのスロープに至っては、乗降時間短縮につながるので時刻を気にする乗客にとってもメリットな気がします。それなのになぜ、車いすやベビーカーが生活しやすいよう整備しないのでしょうか。

「設備が整う→車いすやベビーカーで外出する人が増える→そのほかの人にとって邪魔・皺寄せが増える→ベビーカーでの外出者を増やしたくない」というのが日本社会の本音のような気がします。

結局、日本滞在中にベビーカーを利用したのは広い駐車場があるショッピングモールと公園くらいです。繁華街をはじめ、病院や役場など公共交通機関を使わないといけない場所は抱っこ紐を利用しました。

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